日本アパッチ族 (光文社文庫 こ 21-3)
日本アパッチ族 (光文社文庫 こ 21-3) / 感想・レビュー
GaGa
再読。小松左京もほとんど読んだが、これが一番好きな作品だと発言すると少数派となるのでは?でも大風呂敷を広げるだけ広げておいて結論が伴わない作品も多いので、私はこの非常にすっきりまとまった風刺の利いた本作が大好きである。とは言え、金属が高騰している現代ではアパッチ族は相当な美食家になってしまうのかも(笑)
2010/11/23
とうゆ
はずれものの人間たちが鉄を食う新人類、アパッチに進化して既存社会に反乱を企てる。あらすじですでに面白い。資本主義に対する風刺がどうこうという深いテーマがあるのだろうが、アパッチたちのキャラクターが魅力的で素直に楽しめた。
2018/03/12
白義
ドタバタした抱腹絶倒超人類SFコメディかと思ったら、最後に物凄く叙情的な感傷を読者に起こさせる物凄い作品。小松左京の処女長編であり、小松左京らしさが詰め込まれている。鉄を食うアパッチ族から政治や工業、戦争まで楽しくド派手にもう一つのあり得た戦後を描く本格派。アナーキーなエネルギー、猥雑な大阪らしさにデタラメ疑似科学が独特の幻想感を味わせてくれる。小松左京の長編だと今はちょっとマイナーかもしれないけど、原点としてやっぱり圧倒的な迫力だった
2012/01/07
可兒
おもしろうて、やがて悲しき・・・
2008/10/27
KimuraShinichi
石川喬司による「小松左京はコンピューター付きブルドーザー(要旨)」という解説が付いている角川文庫版で読んだ。半分ほど読み進んだころから、読むスピードがグッと上がった気がした。おもしろいよこれ。読み終えて思う。小松左京ってほんとに、「日本が大好き」なんだな。「愛国左翼」という言葉が浮かぶ。「日本はもうないんやで──これはアパッチの国や。これからアパッチが国づくりをはじめんならんのやで」。この大酋長のセリフは、おそらく、戦後焼け跡となった大阪を目に焼き付けた小松左京の心に懸けられたキーフレーズだったのだろう。
2011/10/24
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