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パレスチナから来た少女 (光文社文庫 お 33-1)

パレスチナから来た少女 (光文社文庫 お 33-1)

パレスチナから来た少女 (光文社文庫 お 33-1)

作家
大石直紀
出版社
光文社
発売日
2001-03-01
ISBN
9784334731236
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パレスチナから来た少女 (光文社文庫 お 33-1) / 感想・レビュー

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ntahima

タイトルに惹かれて手に取る。結構好きな設定だが、二人目の少女になかなか感情移入できなかった。但、幼い時に行き別れた妹を救う為、咄嗟にみせた反応は意外かつプロっぽかった。骨董無形な国際的陰謀が繰り広げられるが、最後には歴史的事実と帳尻を合わせている。ひとつ意外だったのが公安の扱い。普通は陰謀の首謀者だったり、海外の諜報機関に翻弄される哀れな存在だったりするのだが、本作では幾ら地の利と動員力があるとは言え、世界最強の呼び声も高いイスラエル諜報部(モサド)と五分に渡り合う。まあ遅れてくる騎兵隊の役割ではあるが。

2012/02/26

keith

イスラエル兵に家族を虐殺されたところを、間一髪日本人ジャーナリストに助けられ今は日本人として暮らすパレスチナの少女沙也。同じくイスラエル兵に家族を虐殺され、今はコマンドとなってユダヤ人への復讐のために生きているパレスチナの女性マリカ。複雑な中東情勢をバックに二人の運命が交錯していきます。願っていたラストには当然ならなかったのですが、すごく読み応えがあって面白かった。

2017/08/20

臓物ちゃん

複雑な中東問題を日本にまで持ってきた小説。現在とは状況が違う点もあるけど、かなり良かった。最後に明かされる真相は恐るべき皮肉。

2015/01/15

たこやき

当時、中東情勢は全くの無知だったが、95年のラビン首相暗殺は非常に衝撃的だった。そんな時代を舞台に、血で血を洗う歴史の中で、理性ではなく、感情で相手を憎むようになったパレスチナ人の思いなどは、主人公の1人、マリカを通じて伝わってくる。ただ、半ばまで事件は起こらず、しかも、主人公の一人である沙也の父が物語に殆ど寄与していなかったり、バランスの悪さも感じる。デビュー作のぎこちなさ、みたいなところはどうしても感じた。

2010/10/17

DK

主な舞台は日本ではあるが、背景にあるのはパレスチナ問題であり、まだ燻り続ける問題の中で史実の間隙を縫って、国際的なサスペンスに仕上げた手腕がまず見事で、そこに同じ過去を持ちながら、別の道を歩んできた二人の女性を中心として動き、絡み合い、収束する物語としての完成度に胸を打たれる。進行形の問題を娯楽に仕立て上げることに著者自身躊躇いもあったそうだが、最も描きたい内容を浮かび上がらせ、そこに読者の意識を向かわせるのは素晴らしいことだと思う。

2010/08/19

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