夢魔 (光文社文庫 い 31-4 異形コレクション 19)
夢魔 (光文社文庫 い 31-4 異形コレクション 19) / 感想・レビュー
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平山夢明「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」は読むのを止めたくなる陰惨な描写が続くが、読後感は何故か静謐な味わいがある。田中哲弥「げろめさん」、小林泰三「脳喰い」、深川拓「ゆびに・からめる」とこの巻も良作多し。
2023/09/28
madhatter
再読。「夢」って個人的かつ不定形過ぎるテーマ故、何とも一括りにまとめられないアンソロジー。ただ、本書の「キモチワルイ」ツートップ(笑)、「げろめさん」と「怪物のような顔の女と…」がやはり強烈。しかし、その「キモチワルイ」描写もインパクトあり過ぎなのだが、それ故に「キモチワル」さを超えるものが心に残る。前者であれば最後の一文、後者であれば、MCの(これもなかなかにエグい)選択。特に後者は、それを嘲笑されてなお、MCが信じたもののための選択である辺り、奇妙な爽快感すら漂う。
2012/04/08
酔花
読了後二ヶ月強が経った今となっては記憶に残っている作品もなく、平凡なアンソロジーだったという印象が浮かぶばかり。自分の記憶力が無いというのを鑑みても、お勧めできるものではないかなぁ。
2016/01/02
ひょろ
夢に関するアンソロジー。やはり私は短いものが好きなので「十三番目の薔薇」「浮人形」は外せない。「夢憑き」「どっぺる・げんげる」は浮かぶ情景が美しい。「どっぺる・げんげる」の響く鈴の音などはいい味が出ている。「ゆびに・からめる」はエロティックな中にもぞっとさせるものがある。「怪物のような……」は残酷の皮をかぶった切ない系。
2015/01/24
びぎR
ボリュームたっぷりの異形コレクション、書き下ろし25編。夢がテーマということでいつも以上に幻想的、意味不明、ドロドロ、という成分が多めという印象。作品の長さもさまざまだが、比較的短くてわかりやすい「浮人形/江坂遊」「集団同一夢障害/小中千昭」「ゆびに・からめる/深川拓」あたりが面白かった。
2018/06/06
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