キネマ・キネマ ―異形コレクション (光文社文庫)
キネマ・キネマ ―異形コレクション (光文社文庫) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読。シリーズの中ではおとなしめ、総じて上品な空気感。シネマというより、やはり“キネマ”というやや古風なイメージに則っているためだろうか。劇場に往き難い今だからこその再読というつもりはなかったのだが、期せずして引き当てたかなw。そんな中でも平山夢明さんの『アナーキーインUK』なんかは灰汁の強い平山節全快で素敵。安土萌さんの小品も美しいイメージに満ちた作品だった。
2020/10/27
佐倉
映画をテーマにした異形コレクション。様々な作家たちが作品、業界、技術と様々な要素を短編に昇華させている。映画祭はこんな感じなのかも(行ったことないけど)。まさしく映画祭をネタにした友成純一『ファンタスポルト・レポート』を読むとそんな風に思える。田中文雄『左利きの大内藏助』と速瀬れい『プリン・アラモードの夜』は片や見るもの、片や演じるものの愛によってこの世に残り続ける幽霊譚。竹川聖『衣装を着けろ』は映画衣装に纏わるホラーミステリー。起きた怪とその解決が簡潔だが、舞台設定にリアリティがあって面白かった。
2023/07/18
KANEO
映画をテーマにしたホラー短編集。各作品の元ネタがかなりマニアックなのが多いせいか個人的に難解でよく理解しきれなかった作品が多かったのが正直なところ。だがそんな中でもちょっといい話系の『左利きの大石内蔵助』、『プリン・アラモードの夜』、サイコホラーな『ディレクターズ・カット』、そして「ああ!そう来たか!」とタイトルの先入観からしていい意味で騙された『未知との遭遇』が良かった。『RESTRICTED』も結構好きかも。
2013/09/04
しずかな午後
飛鳥部勝則「あなたの下僕」のみ読了。「腐り、真っ黒になったセーラー服の少女の首のアップ。それが『愛情』の終わり」。飛鳥部勝則らしい、美しい黒髪の美少女との倒錯的/共犯的な関係。夏の田舎のじめっとした空気の中で、美しく描き出される。やっぱり飛鳥部勝則の美少女はいいな。
2023/03/17
カワセミ440
『異形コレクション』私結構好きなんです。おどろおどろしい所やちょっと怪しいところが堪らない。知らない作家さんの、もしかしてこれって傑作?怪作?っていうのも結構あったりして。シリーズには今となっては高名になってしまった作家さんの若い時分の習作みたいな物もあったりして結構興味深い。なのでこういうアンソロジー集は面白い。今回の中では私は中島らもさんの『コルトナの亡霊』がいちばんかな?乙一の『ZOO』は別のアンソロジー集で読んでるな。知らない作家だけど速瀬れいさんの『プリンアラモードの夜』も面白かった。いいねえ。
2012/08/10
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