海の微睡み (光文社文庫 ま 11-1)
海の微睡み (光文社文庫 ま 11-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
又吉は又吉でも、こちらは元祖の又吉。もちろん、芥川賞作家としても先輩だ。本書の著者、又吉栄喜は1996年 「豚の報い」で第114回芥川賞を受賞している。本作でも「豚の報い」同様、小説の舞台は沖縄だ。具志島に隣接する留久島は、ともに架空の島だろうが、そこで展開される物語はすっかりウチナンチューの世界であり、ヤマトの宮崎から来た主人公の健太は、もう翻弄されるばかり。ハブの首を草刈り鎌でぶった切る美華はたしかに魅力的だが、小説としては構想が中途半端なままに終わった感がぬぐえない。まことに残念である。
2017/06/15
翔亀
【沖縄55】ボーイミーツガールの王道だ。特に沖縄に流れ着いた地縁や組織から自由な若い男(資格をもつ土木技術者)が土地の若い女性に出会って、という王道中の王道かもしれない。こういうのを、今さら読むのもなあと思いつつ、惹き込まれてしまったのは何故だろうか。作家の手腕だろうか。むしろ沖縄のせいのような気がする(或いは沖縄病にかかっているかもしれない自分のせいか)。女性は現代的で自由に見えるが、ハブを軽々と殺し、海からやすやすと魚介を獲ってくる野生さを備えていると同時に、祖先や共同体を優先する。その姿が沖縄を↓
2022/01/13
ドドイツ
沖縄が舞台ですが会話は標準語なので読みやすいのでしょう・・・多分。健太と美華の会話がかみ合ってない感は健太がバカだっただけなのか・・・。
2015/09/01
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