酒の夜語り (光文社文庫)
酒の夜語り (光文社文庫) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読、良質な物語群に酔う。オーソドックスな酒場怪談から、エスプリの利いたSFホラーまで。霜島ケイさん『笑酒』の伝奇的なお神酒、続きが読みたくなる。薄井ゆうじさん『酒粥と雪の白い色』の愛切さには揺さぶられた。どの酒も、ちょっと辛くて辛い。もちろん飲んで(読んで)いる時には甘いのだが。
2021/10/08
佐倉
お酒に纏わる異形のショートショート。酩酊感や味に想像が付くものもあれば無いものもあり、飲んでみたくなるものもあれば絶対に呑みたくない酒もちらほら。白酒の醸造工場の模範的な怪談とも言うべき『八号窖』南條竹則、おそらくここでいう酒は白酒だろう『李白一斗詩百篇』北原尚彦は本末の転倒が楽しい一篇。八号窖の手と共通するモチーフ……酒に漬け込むあるものについての『小さな三つの言葉』浅暮三文とそれに+して英国料理がやけに美味しそうに思える『首吊少女亭』江坂遊も印象的。
2023/10/18
☆kubo
ちょっと読むのに苦労したかな。中島らもさんはさすが、これノンフィクションでしょ?(笑)藤木禀さんはきれいにまとまっていてドラマになりそう。「世にも奇妙な物語」とかの。あとはゴミの山での酒造りの話が印象に残った。
2014/04/01
ひょろ
「酒の夜語り」というタイトルにふさわしい内容。実にまったり読める美味いアンソロジーである。気に入った作品は「小さな三つの言葉」「夢淡き、酒」「ニガヨモギの繭」「青い夢」「酒粥と雪の白い色」「朱の盃」。ウイスキー好きとして「首吊り少女亭」も外せない。
2017/12/31
訪問者
まさかの縄文時代(多分)を舞台にした青木和「赤の渦紋」、とんでもないアル中の話がある意味痛快な中島らも「頭にゅるにゅる」、マッドマックスのような悪夢の世界での酒造りを描いた草上仁「秘伝」、読後感が最悪な「首吊少女亭」とこの巻も読み応えのある作品が多い。
2024/04/04
感想・レビューをもっと見る