地獄の佳き日 (光文社文庫 と 14-1)
地獄の佳き日 (光文社文庫 と 14-1) / 感想・レビュー
とも
★★★☆作家の処女作『修羅の跫』の大幅改訂版ということで確かに相当荒削りではあるものの、今の作家を予想させるスケールのおおきな伝奇に仕上がっている。平安と呼ぶものの、平穏でも平和でもなく権謀術数や怨霊や魑魅魍魎が跋扈し野良死体は当たり前という時代。そのなかでもとりわけ伏魔殿の御所やその近辺でおこなわれる数々の殺戮。崇徳天皇、鳥羽上皇、白河法皇という親子曽祖父の関係とは。夜な夜な祈る圧倒的権勢を振るった白河が夜な夜な祈る目的は。その他にも阿修羅や魍魎 金毛九尾の狐、源平のいざこざなどもうもりだくさん。
2018/10/18
紅蓮
やっぱり何回読んでも面白いよね。前は修羅の跫を読んでたんだけど、読み比べるとこちらのほうがだいぶ読みやすくなってるんですよね。文庫化にあたってかなり改稿したとのことでした。お話じたいは伝奇なのでかなりおどろおどろしいです。(笑)白河法皇がもうとんでもない妖怪じいさんで・・・あの時代であの年まで生きてたら普通に妖怪扱いも当たり前って感じだけど、その上をいく大妖怪ですね・・・。さて、次はやっぱり雄呂血だけど、厚いなぁ・・・(;´・ω・)
2013/09/26
りりん
700ページにも迫る長編でありながら、テンポの良さが読者に苦労を与えない。これは著者が改稿に際して意識的に取り組んだ点であるようだが、確かにこのほうが増長な文章より読みやすく、ストーリーへ意識を向けやすい。最後の 200ページ辺りからは一気に読み進めた。これまで蓄積していた謎や恐怖が大きく弾け、たくさんの人物が突如、同時的に動き出すのだ。物語のスケールはじつに壮大で、その中でも短編のようにそれぞれの物語は描かれていて、その一つが解決したかに思えても、そこから次へ誘われるのだから、読者としてはたまらない。
2013/08/23
KAZ
富樫さん初読。解説にもあったけど、夢枕獏さんの二番煎じか三番煎じのイメージでずっと積読状態でした。いや面白かったし、ちゃんとしてました。古本屋に行ってきます。
2010/09/19
鼻フック
700ページ弱となかなかのボリュームにも関わらず読む手が止まらないほどに面白く読めた。 ただ、最後の方はやや駆け足で終わらせたような感じでちょっと残念。
2019/01/23
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