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アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

作家
石持浅海
出版社
光文社
発売日
2004-09-10
ISBN
9784334737450
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アイルランドの薔薇 (光文社文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

石持浅海さんの異国の地アイルランドを舞台にしたデビュー長編小説です。本書は登場人物が名探偵役のフジ(黒川富士雄)を除く全員が外国人でほぼ翻訳ミステリを読んでいるような感覚だったせいもあり読み終えるのに随分と手こずりましたね。内容としては南北アイルランド紛争が絡んだ中で武装勢力NCFの重要人物の殺人事件を宿に泊まったNCF幹部と素人集団が警察の介入なしに真犯人を推理するという本格パズラーで国際問題の歴史の勉強にもなり有意義な読書でしたね。唯、若干ダラダラと間延びした展開の遅さがあり頁を繰る手が鈍りましたね。

2022/03/30

ヴェネツィア

再読。本書はミステリーでありながら、再読にも耐えられる数少ない作品の1つだ。石持作品は概ね読んでいるが、結局この処女作であった『アイルランドの薔薇』が、今のところ彼の最高傑作だと思う。まず、ミステリーとしてみるならば、犯人を含めた関係者の全員で謎解きをしてゆくという手法はなかなかに斬新だ。もっとも、その中ではフジの役割が圧倒的に重いのではあるが。そして、なによりも本書を成功に導いているのは、アイルランドに対する登場人物たちの熱い想いであり、それに寄せる著者の圧倒的なまでの共感性だ。

2012/09/04

Tetchy

アイルランドの武装勢力NCFが殺し屋に依頼するある幹部の暗殺劇。このどうにもエスピオナージュ色濃い設定で本格ミステリを成立させるという異色な意欲作。私は本書を読むことで本格ミステリしか読まない方々が世界情勢について触れ、また関連した小説に読書の範囲を広げる一助になればいいと思った。デビュー作から論理的解決の万能性に懐疑的であることから他の本格ミステリ作家とは一歩引いた視座で本格ミステリを捉えているようにも思える。これこそ氏の強みであろう。ただ2人目の被害者が出た直後で皆で料理に興じるのはすごい違和感が…。

2014/05/11

ダイ@2019.11.2~一時休止

デビュー作。読み始めは自己申告の本名やニックネームが入り混じっているので何度も登場人物の表を見なければいけなかった。表を見なくてもよくなった中盤以降は面白かったけど前半がつらかった・・・。

2015/09/22

mocha

アイルランドのB&BでNCF(アイルランド統一を目指す武力勢力)の幹部が殺害された。仲間達は宿泊客を拘束して犯人捜しを始めるのだが、実は凄腕の殺し屋も紛れ込んでいて…。日本人科学者のフジがホームズばりの観察眼で推理を展開する。武骨な背景は「同業者が書かないような舞台設定」をモットーとする石持氏ならでは。アイルランドの歴史がわかりやすく描かれているのも嬉しい。隔絶された宿での推理ゲーム。

2017/09/07

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