KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

もう切るわ (光文社文庫 い 32-2)

もう切るわ (光文社文庫 い 32-2)

もう切るわ (光文社文庫 い 32-2)

作家
井上荒野
出版社
光文社
発売日
2004-10-01
ISBN
9784334737696
amazonで購入する

もう切るわ (光文社文庫 い 32-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

夢追人009

題名の「もう切るわ」がてっきり電話の事だと思っていたら実は違っていた井上荒野(あれの)さんが浮気男と妻と愛人の奇妙な三角関係を描いて心をざわざわと波立たせる愛の迷宮の如き物語です。夫以外の男と長年不倫関係にある妻の「私」と先行きの見えない愛に深く考えずにのめり込む若い愛人の「あたし」は互いに意識しながらも最後まで対決しようなどとは考えません。不治の病に冒され余命幾ばくも無いろくでなし夫に献身的に尽くす妻の揺らぐ心、現実に向き合う事を拒んで男からの電話を唯待ち続ける若い女、死に行く男が一番お気楽でしょうね。

2020/01/28

takaC

残念ながら出てくる誰にも肩入れできず。残念というのは本心ではないけれど。

2019/03/05

ゆのん

ある男には妻と愛人がいる。男は癌になり余命宣告を受けるのだが、、、。妻と愛人の視点が交互に書かれていく。妻と愛人では男が亡くなる様な状況で感情が違ってくる所が面白い。

2018/02/15

竹園和明

この作家さんを好きな理由はこの世界を描ける人だからだと思った。あとがきにも書かれている「万華鏡のような迷路」という言葉。これは人の多面的な心を見事に描写した作品で、決して大作ではないが感情のひだを上手に丁寧に拾った秀作。夫・妻・愛人という三者がそれぞれの立ち位置から発する感情は決して一方向からの視点ではなく、万華鏡のごとくシーンによって色合いが変わる。癌におかされた夫は最終的に消え行くが、そこに至るまでの妻と愛人の迷走する感情とその絡ませ方が見事。デビュー2作目にして既にこんな作品を書いていたとは驚きだ。

2015/06/08

スパイク

荒野さん、本日2作品目。もう、イイのかよくないのかわからんくなってきた。この手の本は続けて読むとダメですね。嘘とか罪とかに対する意識がぼやけてきて、不倫のどこがいけないんだろう?辛い恋だと承知で痛みに耐えているんだからいいんじゃないの!って感覚。誰もが誠実に生きてるよな気がしてくる。男にだらしなく、無断欠勤を繰り返す臨時雇いの女でさえ肯定してしまいたくなる。お酒は飲んで飲んで、吐くほどに強くなると言いますが、恋も同じなのでしょうか、受け入れられない状況を繰り返してると恋愛耐性ができあがってしまう?毒です。

2014/10/13

感想・レビューをもっと見る