妖女 (光文社文庫)
妖女 (光文社文庫) / 感想・レビュー
かめた
書き下ろし怪奇幻想アンソロ。冲方丁の「まあこ」が一番怖かった。読めば判りますが「まあこ」というネーミングのエゲツなさにページをめくる指も思わず縮み上がってしまいますね(笑)。悲惨な話が多い中、早瀬れいの「時の通い路」がハピーエンドでほっとします。もっとも戦時中の悲惨な出来事が話の発端なのですが。朝松健の「木曽の褥」と加門七海の「墨円」はビジュアル的インパクト大な作品、ああ夢に出てきそう(笑)各話の扉絵は伊藤潤二氏の書き下ろしであります。
2018/10/28
那由多
冲方丁『まあこ』が一番。大石圭『拾った女』、速瀬れい『時の通い路』、朝松健『木曾の褥』もなかなか良い。各作品扉の伊藤潤二さんのイラストは、ページをめくるたび怖かった。恐怖度ではナンバーワンだった。
2019/08/13
佐倉
ファムファタールをモチーフにした異形コレクション。全体的にエロティックな雰囲気がある。怖さで言えば『まあこ』冲方丁が一番面白かった。ラブドールと人形怪談という少し奇異なテーマの掛け合わせ、怪異に憑かれることが当人たちにとっては幸福となる、そういう在り方を羨ましくも思えてしまう展開……かなり好き。『秘密』小沢章友は昭和初期の浅草を舞台にした一篇。倒錯した雰囲気は作中にも登場するある作家へのオマージュが感じられてて好い。『余所の人』早見裕司はいわゆる座敷童的なテーマ。が、沖縄を舞台にすると趣が変わって印象的。
2023/07/28
訪問者
冲方丁「まあこ」は「マルドゥック・スクランブル」を読んだ感動を思い出させる傑作。ホラーもこなす作者の力量に驚嘆する。小沢章友「秘密」はタイトルと言い内容と言い谷崎潤一郎みたいな作品だなと思っていたら、正にそういう小説だった。グロテスクながら語り口が透明で静謐な味わいの大石圭「拾った女」と妖女というテーマの故か傑作が多い。
2023/08/16
ピン
異形コレクションは、毎回読みごたえもあって好き。しかも妖女。色んな角度から異形の女性像が見れて最後まで飽きなかった。 真亜心、素晴らしい。
2017/07/12
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