ボランティア・スピリット (光文社文庫)
ボランティア・スピリット (光文社文庫) / 感想・レビュー
kei302
市民センターで外国の人たちに日本語を教えるボランティア。発起人の兵藤と募集で集まった人たちの連作短編。 人が集まればトラブルは付きもの。その上、市民センターの利用者からの苦情や偏見が露わになって、どうなる、日本語教室。メンバーの山崎「ほんの少しやってみて感じたんですが、結局いろいろな問題は我々の側にあるものかもしれませんね、そんな気がします」この言葉に尽きる。個人を理解しようとせず、一方的に差別的な言動を取る人たちを変えるにはどうしたらよいのだろう。
2020/09/16
Zann
★★★☆☆日本語を外国人に教えるボランティア教室でのミステリー短編集、と銘打っているが謎からの解決があまりにもあっさりしすぎていて、読みごたえとしてはちょっと物足りない。どちらかというと、外国人に対する日本人の偏見から生じる勘違いや罪の擦り付けといったヒューマン的な展開が主だった気がする。無意識化の差別って難しい問題だな、と。ボランティアスタッフの動機の違いは何だかリアルで面白かった。作者は『ボランティア』や『日本人』がもしかして嫌いなのでは?と思ってしまうほど妙な悪意を感じる作品だった。(81)
2020/11/07
penguin-blue
外国人を対象にした日本語教室ボランティアが舞台。ボランティアのきっかけが崇高なものではなく、リストラだったり、ご近所への見栄だったり、ちやほやされたいからだったりというところが真実味がある。そして、そんな本音と建前の間の後ろめたさや、奥底に潜む差別意識を見透かすようにいろいろなことが起こる。動機の純粋さ(と言うより不純さ)が必ずしもボランティアとしてどうか、に直結しないのがみそ。
2019/03/29
Iso
ボランティアって本当に難しいですね。どうしても上から目線になったり、賞賛の声が欲しかったり、純粋な気持ちだけではやっていけない気がする。そんなボランティアの本音が聞こえてきそうなこの話、怖すぎる
2016/03/26
KAN
人間関係が凄すぎました。ギスギスです。
2016/01/09
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