風化水脈 新宿鮫VIII (光文社文庫)
風化水脈 新宿鮫VIII (光文社文庫) / 感想・レビュー
えみ
660頁という大作に相応しい歴史と重みのある事件だった。ヤクザとしての生き方、警察官としての生き方…全く正反対のようでどちらの生き方も“犯罪”と密接な関係にある。例え世に認められていなかったとしても、それが一種の罪になろうとも、信じた道を真っ当なまま生きていくことの根性と意地がやがて一人の人間を救うことになる。そしてそれは誰もが持ち合わせている権利である。人を救うことは誰かの特権じゃない。犯罪者だって権利はある。過去の殺人事件、現在進行形の日本人と中国人の組織犯罪。新宿は今日も賑わしい。鮫島の活躍は健在!
2022/06/17
aki☆
シリーズ8作目。頻発する車両盗難事件の捜査中、偶然死体を発見。元警察官の大江、1作目登場のヤクザ真壁を中心に、現在進行形の事件に加え40年前に起きた事件の真相をも追う。前作の様な派手さはないけど、警察官であったことへの誇り、ヤクザとしての矜持、大切な人を守りたい気持ち、秦の通った男たちのカッコ良さを見せてもらった。今作の一番の関心は真壁で、因縁の中国人組織との結末とヤクザとしての真壁の結末に期待と不安で読む手が止まらず。ラストも良かった~(´;ω;`)
2021/09/15
財布にジャック
わぁ~!兎に角最初から最後まで大興奮でした。鮫島、大江、真壁と、格好良い漢オンパレードの今作は、シリーズ中一押しの「毒猿」と比べてもどちらに軍配をあげようかと悩むほどの出来栄えだと感じました。三者三様の人間ドラマをたっぷりと堪能させていただきました。その上、高級車窃盗事件の他に、過去の殺人事件も絡みあう為ミステリーの要素もあったので700頁近い分厚さも全く苦になりませんでした。傑作です!
2014/09/09
kei302
鮫島と真壁の心の繋がりにじんわり感動のラスト。やじるしさんのお仕事がメインの事件なので公安香田の出番なし。大江老人、雪絵さん母など、昔からの新宿住人が魅力的。新聞連載されていた作品だそうで、新宿の地名の移り変わりや水道の歴史、街の発展が詳細に説明されている。単行本で読んだときはナナメヨミ、今回はじっくり読んだ。百人町には出張で通算すると3か月ほど滞在したので(かなり昔)思い浮かべやすかった。
2024/02/22
siro
カッコいい男性がたくさん出てきますね。真壁さんが出てくるということでシリーズの中でも特に楽しみにしていた本です。出来すぎな偶然が少し気になりますが鮫島、真壁、大江の各々の生き様をしっかりと読ませます。そして仙田の関わりもファンとしては嬉しい。次は仙田さんが大きく関わってくるらしいのでまた楽しみ。絶対シリーズ最初から読むのをお勧めします。より一層楽しめます。
2014/05/16
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