海賊船幽霊丸 (光文社文庫)
海賊船幽霊丸 (光文社文庫) / 感想・レビュー
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『木枯し紋次郎』シリーズの原作者で、多作の作家として知られる著者が描く海洋時代絵巻。時は、関ヶ原の戦いが終わり江戸時代に変遷する時代、戦国乱世に生きた海賊衆も終焉を迎える。瀬戸内海の海賊衆である来島水軍の首領の主人公が、鎖国に向かう政権に異を唱えて、未完の軍船を幽霊船と名付け南海に向け漕ぎだし活躍する正に白石一郎的な海洋冒険物語。そして、著者の未完の遺作を森村誠一が最後を書き足した著者差後の作品である。海に生きた水軍の終焉と希望を描いた哀愁のある一冊です。
2023/01/22
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