最後の晩餐 (光文社文庫)
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最後の晩餐 (光文社文庫) / 感想・レビュー
kinkin
随分昔に読んだようなきがする。何が書かれていたのか思い出せずにいた。記憶がほんの少し戻ったような気がした。文庫本とはいえ軽そうな内容と思いきや結構自分には重い本。芥川賞の選考委員だっただけに文学的表現がそこかしこに。気合を入れて読むのがいいのか、はじめからややこしいところはすっ飛ばして読むのか。私は後のほうを選んだ。実際にベトナム戦争に行ったり、世界中の釣りで大物をあげた先生の食物に関する記述は非グルメの私には消化不良だった。
2024/03/22
Shoji
なるほど『最後の晩餐』とはそういうことか。読み終えて唸ってしまった。序章と終章に書かれていることは間違いなく最後の晩餐である。開高健の凄さを改めて思い知った。
2017/01/18
奥澤啓
開高健は食と酒と釣りに惑溺した。特にワインについては、本書にも登場する辻静雄をも感嘆させるほどの鋭い舌を持っていたらしい。食にしても、酒にしても、釣りにしても、ある意味、性的快楽に通じるような隠微な喜びをともなう。そういう感受性は『夏の闇』や「ロマネ・コンテイ1935年」の中で、文学言語において、稀有な散文を創造した。エッセイでは本書をまず読みたい。どん底の食から王侯貴族のような食、人肉食。開高と近しかった人、辻静雄、坂根進、阿川弘之、小松正京などの一面も知ることができる。食も酒も釣りも官能の世界である。
2014/12/25
デビっちん
タイトルから想像したのは、豪華な食事、あるいは、慎ましくも慣れ親しんだ食事のエピソードでした。しかし、冒頭の章を読んで食欲が失せました。○○を食している様子が生々しく描かれていたのですから。具体的な一方で感覚的な味覚を表現する言葉の使い方に脱帽です。
2017/09/19
tama
自本 本棚発掘で 何度再読したことか。昔入院中もこれと「フィッシュオン!」を枕頭に。料理や食に興味があるなら一読を勧めますが、初開高なら、「王様の食事」の章辺りから数章読み、その上で最初に戻って読まれるととっつきやすいと思います。日光の茶店でサンショウウオ干物売ってたなぁ。「問題作はおしつけがましいが、名作はつつましやか」。ジンギスカンのタレ、確かに私の時代は各家庭で作ってた。獣医だった義理の兄のはドエラク凝っていた記憶が。邱永漢と「白い国籍のスパイ」読まなくっちゃ。
2016/11/11
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