黒魔館の惨劇 (光文社文庫)
黒魔館の惨劇 (光文社文庫) / 感想・レビュー
夜間飛行
著者がロンドンに移住し、心機一転して書いた連作ホラー小説5編を一本にまとめたのがこの作品らしい。肌で感じた異国の街の色合いや臭いを生々しく織り込んでいる。友成さんのスプラッタ物には残酷な小鬼がよく出てくるが、本作では、幼稚園児の悟郎が館の隅々に気味の悪い毛髪やどす黒い染みを見つけ、自分をヒーローに見立てて館にいる悪魔をやっつけようとする。もちろんこれは無邪気な子供の視点なのだけれど、やはり小鬼への導入とも感じられて、尻の下がスースーした。悪と穢れにみちたロンドンへの愛を感じさせる幽霊屋敷物の傑作。1991
2020/07/31
みや
ロンドンの高級住宅街にある館を借りた日本人が次々と心を病み、死んでいくオカルトホラー。5組の物語を描く連作短編集。幽霊屋敷、黒魔術、聖十字騎士団、吸血鬼、狼男、悪霊など、ベタな設定が盛り沢山で嬉しい。恐怖や気味悪さは今一つ物足りないのだが、映画だったら面白そうだと気付き、脳内で映像化しながら読み始めたら楽しくなっていった。どの短編も奇妙な違和感から始まり、最後に怒涛のごとく惨劇が行われていくのが小気味良い。妖しい雰囲気には浸れたけれど、グロや興奮をもっと味わいたかった。オカルトはやはり映画の方が好き。
2018/02/21
Bugsy Malone
ロンドンにある大貴族所有の館を舞台に5篇からなる短編に、幕間を入れて1つの物語となっているホラー小説。読んでいくうちに、おっ、これは映画「悪魔の棲む家」っぽいぞと思っていると「シャイニング」や「ヘルハウス」の様な所もあったりでこれは中々良質なゴシックホラーてした。
2015/04/30
ヒロくま
怖い怖いよ~いわく付き物件。次々と犠牲になる人々の悲惨な末路。正体が分かっても何の解決も無く、繰り返し行われる惨劇。キツイわ~。それとは別にこの国に対するイメージが変わってしまいそうな下りが何度もあって驚きだった。
2016/01/29
Yu。
最初は誰もが期待に胸を膨らませたことでしょう。。。幽霊屋敷や魔術結社の本場として有名なロンドンの高級住宅地に位置するとある屋敷を舞台とし、そこへ住む事となる様々な人達を執拗に攻め狂わせ、壊していく恐怖の様が連作形式で描かれるサタニズムホラー。またその起因となる屋敷に隠された驚愕の事実も話毎に明かされていくというミステリとしても愉しめる一冊。もう嫌、絶対イヤ!!こんなとこ。チボーこわい…
2015/04/30
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