OZの迷宮 (光文社文庫)
OZの迷宮 (光文社文庫) / 感想・レビュー
セウテス
【南美希風シリーズ】第1弾。8編の連作短編集で、密室を始めに物理トリックを堪能できる。物語全体の根っこに、探偵の存在意義と「オズの魔法使い」が在る。兎に角、こんな物語の設定に驚きである。最初事件に偶々居合わせた料理人鷲羽恭一が事件の謎を解き、本作の探偵と思いきや3話目にて容疑者と思われた月下次郎が新たな探偵役となる。 さらに5話目にて、彼は舞台から降りてしまい、6話目からは運命に導かれる様に、南美希風が探偵として登場する。言わば、美希風の誕生秘話でもあるのだが、探偵とは受け継がれる生き方という考えだろう。
2021/05/14
gonta19
2011/1/28 Amazonより届く。 2014/9/30〜10/3 いつも柄刀作品の所に書いているが、私と柄刀作品は相性が悪い。が、この連作短編集は楽しめた。ネタばれになるので、詳しいことは書けないが、この展開は斬新。柄刀さんの実質的なデビュー作品や南美希風のデビュー作も含まれていて、柄刀さんにとっては、記念碑的作品なのかも。
2014/10/03
usarlock
三人の探偵が順番に活躍する少し変わった連作短編集。最初の2編は犯人やトリックに対する意外性が薄くて微妙だったがそれ以降の話は最後の「本編必読後のあとがき」までしっかり楽しめた。印象強いのは「絵の中で溺れた男」で、密室のアトリエで溺死死体が発見される。水気の無い事件現場で被害者がどのようにして溺死したのかの推理が見事です。これと「わらの密室」で活躍している探偵が結構好きでしたね。この後もシリーズで続いているので読んでみようと思います。
2014/11/17
miroku
連作短編集なのだが、途中で主人公が代わってゆく。その理由が…驚天動地!これは…やられた。 最初から最後までサプライズの連続。これは、いい♪
2012/06/13
そーいち
著者の代表的な探偵である南美希風が初めて登場する作品。女性と思っていたら男性だったのか。連作短編の体をとっているのだが全て読むと繋がっているという構造なのだがそれ以上に面白い仕掛けもあったり、なかったり。ミステリとしてはペンネームの由来となっているカー寄りでそれよりも島田荘司さんっぽい強引なトリックが目に付く。特に大胆なのは表題作の一部にもなっている「ケンタウロスの殺人」で中々に大掛かりである意味馬鹿馬鹿しいものを持って来ている。また全編を通して探偵の存在意義に対する考察が寄せられている。
2024/01/08
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