鷲 新装版 (光文社文庫)
鷲 新装版 (光文社文庫) / 感想・レビュー
ヒデキ
以前から、読みたかった岡本綺堂先生の怪談本 初めて読みました。 最初の「鷲」の掴みに入るまでにしばらくかかりましたが、 その一線を越えた瞬間から、一気に読んでしまいました。 ①戦前の日常の描き方ってこんな世界なのか?普通にアジアが生活の一部に入っている描写にある意味びっくりしました ②日常のスキマから見える不思議な世界 今の怪談にもつながる流れを感じてしまいした
2023/12/09
Yu。
不幸とその背景にある災いの元が必ずしも繋がるというわけではない‥既存のパターンにとらわれない妙味な巧さこそ綺堂流。。『影を踏まれた女』『白髪鬼』そして『鷲』、と連続して“怪談シリーズ”を読んでみたところ、どの話もどれかの話に似てはくるんだけどそれでも互いを食い潰す事のない血族的な愉しみ方もまた一興。。お気に入りは、蛇と女‥ 土地に憑く因縁が蛇の如く彼女に絡みつく「深見夫人の死」。なぜ経帷子を?「経帷子の秘密」。まさに “黒い まんが日本昔ばなし”「くろん坊」。
2018/04/14
みんち
引き続き、岡本綺堂の怪談集「鷲」を読了。とりあえず、今回はぶっ続けで3冊読んだので、しばらく綺堂はいいかな?(笑) 個人的に面白かったのは、将軍家の鷹狩りの邪魔をする大鷲を撃ちとるために出向いた鉄砲名人の武家父子の前に、江戸に残してきた使用人の娘が現れ懇願する。「私の親を撃たないでください」やがて、その娘の出生に絡んで奇妙な因縁が判明するが、それでも勤めが大事と飛来する大鷲に銃口を向ける武家の父。だが、その後には悲劇が待っていた、という話の表題作。
2016/09/13
新地学@児童書病発動中
岡本綺堂の怪談集。ずいぶん昔の作品なのに文章が良い。おどろおどろしたところや古めかしさがなくて、イメージをくっきりと伝える筆力の確かさ。怪異に合理的な説明をつけず、あたかも起こったことのように淡々と描いている。ルポルタージュといってもいいぐらい。そのことがかえって恐怖を高めていると思った。
2011/07/27
kotono
謎や真相が解明されないまま話が終わってしまうが、不思議でじわりじわりとくる恐ろしさが残る語りにぐいぐい引き込まれた。特に印象的だったのは「鰻に呪われた男」と「黒ん坊」。
2017/07/19
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