寺山修司の俳句入門 (光文社文庫)
寺山修司の俳句入門 (光文社文庫) / 感想・レビュー
朝日堂
寺山の最初の表現は「俳句」であった。学生時代の時評や回想から抜粋した俳句本。入門とあるが何か方法を示しているわけではない。所収の類いである。さて彼にとって俳句とは何であったのか。それは、戦後、瓦礫だらけの状況で生まれた「堕落派」(坂口安吾や太宰治など)へのアンチテーゼであるとする。彼ら堕落派は「形態」までも瓦礫化してしまい、自分を卑小な存在だとしてきた。対して五七五という俳句の「形態」を用いて、私性を復権し超越しようという意図があったとする。三鬼、草田男、波郷、楸邨、誓子への憧憬がよく見えておもしろい。
2013/07/25
かふ
寺山修司の俳句には嫉妬する。それは還暦から俳句を作り始めた私の後悔からか?違うような気がする。青春時代に俳句という短詩形式に出会って、青春を表現出来たことにだ。いまどんなに私が頑張っても青春俳句は作れない。寺山修司の俳句は、青春俳句なのだ。だから戦後俳句派にも恐れもせずに物申す。三十代の俳人への言葉は、今読むと若さゆえかなと思ってしまうことが年寄りな証拠だった。今の政治がどうなろうと、女の子と恋愛はするし、流行の音楽や映画について語る。ただそこに俳句がないだけだ。寺山修司の俳句以外は。
2022/09/09
床ずれ
五七五という形式化された短詩型を切り口に寺山哲学を紐解いてゆく。まさに「寺山修司の」俳句入門。後半の螢火抄や同級生に嫉妬する話なんか凄く面白かったです。
2014/09/25
rouningyou
寺山というと演劇の前は短歌だと思っていたが、その前に、中高生の時には相当早熟な俳句を詠んでいたんだと知った。凄すぎる。
2016/06/27
やいゆえよ
衒学的でかなり読みづらかった。(私の知識が足りなさすぎるだけか?)/「寺山修司の・俳句入門」ではなくて「寺山修司の俳句・入門」だった。俳句を知りたくて読む本ではなかった。
2022/07/03
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