シロツメクサ、アカツメクサ (光文社文庫)
シロツメクサ、アカツメクサ (光文社文庫) / 感想・レビュー
巨峰
同性愛、異性愛、姉妹愛。いろんなエロスが漂う短編集。森奈津子さんの作品は初めてだけど、侮れない人。どこかで読んだような官能の表現でなく、題材の取り上げ方、その料理の仕方、その表現に彼女だけのオリジナリティを感じました。少年の身体に少女の「形」が乗り移る冒頭作からその違いを感じました。後半になるほど彼女の表現に慣れましたし、はまりました。うん。人は身体と魂がある。作者にとって、その魂とは本来的に凄く自由なものなのでしょう。自由であるべきだと。
2010/08/03
桜もち 太郎
初読みの作家。軽いSFでもあり、ホラーでもあり、エロチックな短篇9作品からなる作品集。何処となく中途半端感は否めないが、最後の「語る石」はよかった。「翼人たち」では、『人は死んで無となる』とあり、自分の生死観にかさなるが、「語る石」では『祖母の魂は、肉体をはなれ、天に昇ってしまった』『すべては流転する。望もうと、望むまいと』とある。科学的には無になるのが正論だし、残された人間には後者が、納得しやすいのだろう。作者はバイセクシャルと解説にあったが、多くの作品に色濃くでていて納得することができた。
2023/11/01
冬見
『からくりアンモラル』をきっかけに森奈津子さんの作品を片っ端から読み集めていた時期があったが、最後に読んだ作品数作がドギツイ性愛もので力尽きてしまい、しばらく積みっぱなしだった一冊。それらと比べるとかなりライトに読める。好きな加減の森奈津子さん作品。性愛ものだけではなく、SFのような、すこし不思議で惑わせるような作品も多く、楽しく読んだ。目次を見返すとどれも印象深く、また、どれも気に入りであることに気付く。また他の作品と併せて読み返したい。
2021/04/02
non
表紙が大好きな山本タカト氏。タイトル、表紙からして淫靡です。9編の短編。エロいものからギャグ、SF、ちょっとジーンとしちゃうものまで色々です。中でも、トンデモなんだけど印象深い「一九七七年の夏休み」、不思議な父と子の関係を描いた「一郎と一馬」、バカバカしくて吹いちゃう「美少女復活」、世界の中には無数の世界がある「翼人たち」、三つ子の美少女の嫉妬や欲望を描いた表題作、「語る石」などが好き。どれも面白かったな。奈津子さん、素敵♪
2010/04/07
音
官能小説の短編集って感じだけでなく、SFもあり、コメディもありサクサクと楽しく読めた。
2017/06/04
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