聖い夜の中で 新装版 (光文社文庫)
聖い夜の中で 新装版 (光文社文庫) / 感想・レビュー
coco夏ko10角
5つの作品収録の短編集。これが仁木さんの最後の短編集とのこと。『うさぎを飼う男』女子中学生探偵の頑張りや葛藤がいい。『折から凍る二月の』おばあちゃん探偵の頑張り。『数列と人魚』では内容より「コンピューター」の文字が出てきたことにびっくりした。昭和61年に発表の作品だから、そうか。
2018/12/22
Yu。
カメラマン志望の恋人が何者かに殺され、その後その彼女は荒された彼の元部屋で謎のフィルムを発見する「陰のアングル」。祖父宅で起きた殺人事件に中一の姪っ子がその真相に挑む「うさぎを飼う男」。孫の何気ない一言で近所で起きた未解決殺人の解決への糸口を見出すお祖母ちゃん大活躍の「折から凍る二月の」。謎の男から数字の羅列された紙切れを受け取り、その数日後行方不明となった妻の失踪の依頼に立ち上がる三影探偵「数列と人魚」。幼い主人公にとって彼はホントのサンタなのだ「聖い夜の中で」(遺作)。の五篇から成る著者最後の短篇集。
2016/12/25
harupon
「陰のアングル」「うさぎを飼う男」「折から凍る二月の」「数列と人魚」「聖い夜の中で」5作。読み応えがあってとても楽しめました。表題作「聖い夜の中で」はサンタクロースに抱きかかえられたひろむ君の無事な姿に涙した。メリークリスマス。作者が1986年入院直前に書きあげミステリーマガジン1987年1月号に掲載されたこの作品が絶筆作品となった。この新装版では最初の頁にご主人の後藤安彦氏の言葉。後ろの頁に作者の年譜・書誌。鮎川哲也氏、熊井明子さん、夏樹静子さんの追想、山前譲氏の解説。素晴らしい作品の数々に出会えた。
2021/12/13
みみずく
【クリスマスっぽいものを読もう/その3】表題作含め全5篇収録。恋人との将来を思い描く若い女性、叔父さんに憧れる中学生女子、孫がいる悠々自適の老婦人、仁木作品おなじみの探偵・三影潤…それぞれの作品の主人公たちが魅力的で楽しく読めた。絶筆となった表題作は、主人公のひろむくんに対する仁木さんの眼差しが温かく素敵な作品。年が違う3人の女性主人公たちがまるで違うけれど皆どことなく似ていて、仁木さんはこんな感じの方だったのかしら、と想像した。とても素敵な短編集だった。
2013/12/24
sena
やっぱり仁木さんはいいなあ。 「折から凍る如月の」が良かった。昔は文学少女だった主人公とその孫のほのぼのしたやりとりにも、仁木さんらしさが感じられる。 しかし時代を感じるね。
2012/08/24
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