蒸発: ある愛の終わり 長編推理小説 (光文社文庫 な 1-24)
蒸発: ある愛の終わり 長編推理小説 (光文社文庫 な 1-24) / 感想・レビュー
ヨーコ・オクダ
目的地にあと少しで到着するという飛行機内で1人の女性客が居なくなっていることが判明。大筋ではその女性の行方を探すストーリーと言えるけど、興味深いエピソードがいくつも絡めてあって密度が高い作品。でも、単純に複雑な内容にして真相を隠しているのではないのが巧いところ。この作品に登場する誰かを愛する男たちと女たち。それぞれに影があったり、打算があったり…そして何らかのタイミングが合うたりズレたりしたがために悲しい結末に結びついて…。最後まで正統派の探偵役ヅラをしていた新聞記者・冬木クン、君も反省せなアカンで!?
2019/08/14
coco夏ko10角
新聞記者・冬木は失踪した不倫相手を探すが…。そちらの事件の謎はそうだったのか、となるも、読後振り返ってみると冬木の妻子が気持ち・体ともにほったらかしなのがなんだかきた。あと飛行中のジェット機から乗客が消失して「怪談」ですむものなの…?
2022/03/02
らなん
夏樹さん52冊目。2007年、文庫。記者である冬木のW不倫相手の蒸発からの、彼女の過去の知人が犯罪の被害者に。厚さのある文庫の中で、人が入り乱れ、場所も移動し、なかなかの重量でした。夏樹さんの長編2作品目で、1972年出版の文庫化。母性の喪失は、「文明の公害」だそうで、何故に母性だけ指弾されるのか、意味不明。
2021/07/16
hit4papa
人妻の失踪=蒸発をめぐる殺人ミステリです。不倫を扱っているので、湿度の高いドロドロの愛憎ドラマになっています。出だしはうっとうしいのですが、飛行機からの人間消失といった謎解き要素が加わると、俄然、面白味が盛り返します。最後の最後に、どうして不倫という要素をこの作品に持ち込にだかが分かる仕組みです。読者によって肌に合う合わないがあるのかもしれませんが、女性の情念を描いた作品として良くできていると思います。
さとむ
なぜ、どのように蒸発してしまったのかがなかなかわからず、最後まで引き込まれる。西村京太郎をひさしぶりに読んでみたくもなった。
2015/07/19
感想・レビューをもっと見る