悪女の秘密 (光文社文庫 に 14-9)
悪女の秘密 (光文社文庫 に 14-9) / 感想・レビュー
じいじ
『夫以外』以来の2作目。日常と非日常が入りまじった女の世界を描いた11短篇集。ぐいぐい引き込まれる面白さが堪りません。「悪女」と一言で言っても、憎めないオンナと、許せないオンナが登場します。表題作の主人公は、35歳独身。独り暮らしで逝った伯母の遺産整理に奔走。怖い結末が待っている。妻ある男のこどもを身籠ってしまった。よりによってその彼の妻は親友だった。「離婚してあげるから旅に付き合って…」女の怨念をむき出しにした、背筋が ゾクゾクする話【二人旅】。新津サスペンスは、病みつきになります。
2019/03/10
Yu。
こんなハズじゃなかったのに… あれだけ持ち上げておきながら最後は一気に振り落とすという皮肉塗れな展開が待ち受ける11のダークサイドストーリー。お気に入りは、ねえあんた‥どこまで計算高いん!!その魔女的なしたたかさを目にしたなら誰しもがひれ伏してしまう悪女っぷりはもうあっぱれと言うしかない「うわさの出所」を筆頭に、これ以降どの物語もオチに味わう毒の強烈さは甲乙付けられないほどハンパない。。。
2015/09/05
アコ
おひさしぶりの新津さん。女性心理をさらりと書いてのける読みやすい11篇収録の短篇集。みんな見事なまでに悪女ですね、まったく。前半の1990年代後半に書かれたもののほうが断然おもしろかった。この短さのなかでの伏線がお見事。『二人旅』『傷自慢』『うわさの出所』が特に印象深い。こういう短篇集って定期的に読みたくなるし好き。ただ表紙のセンスはイマイチと毎回のようにおもうのは否めない。どうしてなのー?!
2015/02/01
おれんじぺこ♪(16年生)
色んなタイプの「悪女」。一度に読むにはちょっとどんよりがきつい(笑)少しずつ少しずつ読まないと気持ちがダウンします。
2023/04/19
MASA123
作者あとがきによると「1988年デビューからいままでにミステリー短編を八十編書いてきた。・・・こうして短編集にまとめることができて、感慨もひとしおである。」 11編の短編は、一番古い作品が1990年で、新しいのは2005年だ(本書の発行は2007年)。 今、昭和レトロだけでなく、平成レトロも人気だそうだ。本書の作品は、まさに平成レトロ、アッシーくん、って久しぶりに聞いた。平成レトロが満喫できます。 「うわさの出所」が一番よかった。どの作品も程度の違う悪女が主人公だ。この話の悪女はマイルドだったから。
2023/07/05
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