水の迷宮 (光文社文庫 い 35-3)
水の迷宮 (光文社文庫 い 35-3) / 感想・レビュー
ダイ@2019.11.2~一時休止
水族館でのクローズドサークルもの。終章はイイ感じなんだけどそこまでの過程を考えると複雑な感じも・・・。
2015/11/01
sk4
関係者の思惑が微妙に作用し合って出現する、目に見えない壁で出来たクローズドサークルで起きた殺人。 「えっ?」と目を疑うような行動もしっかりプロットされてて、【緻密】が売りの石持先生らしいミステリーの作り込みです。 結末のインモラルな感触に嫌悪感を持たれる読書家さんも多かったかと思いますが、最も応報を必要にしたはずだった人物(作品中では探偵役の上位)が望んだ結末だから、まるっと回収されてると思います。 それにしてもタイトル(というか、水族館新館の名前)はシニカルだなあ。
2013/07/08
ゆみねこ
水族館で起こった脅迫事件と殺人事件。警察に知らせず、内々に解決策を弄する館長以下職員たち。3年前に不慮の死を遂げた職員の命日に起こった出来事はどういう決着を見るのか。探偵役の深澤さん、優秀! でも、人の命が軽く描かれているようにも思えて、少しもやっと…。
2018/03/25
nobby
この結末は確かに賛否両論は分かる気がする。後半、明らかになる壮大なる水族館の構想には胸踊らされ、エピローグで語られるその実現の様子は爽快なのだが、その罪の背負い方に都合の良さは否めない…個人的には水族館は好きなので、その舞台裏など興味深く読み進めた。真相の解明は文句なく理論的だけど、探偵役な部外者である深澤の聡明さと執着度合いが少し鼻についたが、冒頭の個人の生前に遺した言葉と結びつくと納得。新館“水の迷宮”には行ってみたい♪
2015/01/11
セウテス
作者の特徴である、変わった場所で起こるクローズドサークルで、今回は水族館。送られて来る脅迫メール、その内容通りに各水槽の中から異物が見つかる。営業を続ける裏で、従業員達の必死の頑張りが在るのだが、やがて殺人が起きてしまう。水族館だけに美しい背景描写であり、心理描写も何処かファンタジー的に感じる。謎解きをする人物が、そこに居合わせた友人という設定にしては、剰りにも気付き過ぎかつ独善的過ぎる様に感じる。探偵である方がしっくりするのではないか。結末は賛成出来ない、夢の実現と犯罪は天秤にかける事では無いと思う。
2017/06/26
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