写真への旅 (光文社文庫 あ 30-2)
写真への旅 (光文社文庫 あ 30-2) / 感想・レビュー
RYOyan
アラーキーは撮っても喋っても雄弁だ。各章導入部のちょっと思わせぶりな表現、特に雨のシーンとか印象に残ってる。これが書かれた70年代、写真はまだまだ一部の道楽者の特別な趣味だっただろうけど、撮ることがこんなにも身近になった現在、荒木氏の言う写真の本質に近付いているのかも知れない。
2016/08/16
おとん707
うーん、なんと言ったらいいか感想の書きにくい本である。体裁は、プロの写真家が綴る写真を撮る心得、みたいなものなのだが、天才を自認する著者の文章はどこまでがまじめでどこまでがおふざけなのか謎。1975年にアサヒカメラに連載したものだそうだがカメラ専門誌の掲載にしては下ネタだらけで下品。あの頃流行ったアングラやサイケやヤクザ映画などの世相が反映しているのかも。写真教室に参加した男女高校生による作例が多く含まれるのも驚き。どういう写真教室だったのだろう?でもその高校生の作品の方が見ていてホッとする。
2021/08/11
kentaro mori
●「だれかのために、なにかのために、たとえば文化とか、歴史とかのために写真を撮るのはもうやめて、自分自身のためにこそ「激写」するのだ。あまりにも社会に、時流に媚びすぎる。時流と心中することはない。もっと「私」に媚びるべきだ。」●「写真なんて世間様のマネなんだから、マネして悪いことはない。バーチバチ、シャッターをおそう。女性を撮るのだ。風景なんて撮るのはよそう。風景なんざ死ぬ間際に撮ればいいのだ。(中略)接触するのだ、勃起没入するのだ!傍観者ではダメなのだ、暴漢者になるのだ。」
2018/06/03
TOMYTOMY
くだらないで済ませない、グサリとくる一言が。 荒木リアリズム
2018/06/02
ひろ
天才アラーキーのエッセイ"童貞"作。言ってしまうと天は彼に二物を与えなかったようで、そんなに面白い本ではなかった。良い写真が撮れない女性は生理日に写真を撮れだの「浅い!」としか言いようがない。とはいえ写真への向き合い方は含蓄に富む部分もある。現像テクニックで新しい写真を生み出そうとする試みに対して「現実からの逃避」と断じてみたり、見せることではなく見ることこそ写真には必要だと言ってみたり。広島での原爆被爆者の写真について「すべての国民が再び自分たちのようになることがないようにと、自ら進んでカメラの前に立っ
2016/10/13
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