心霊理論 (光文社文庫 い 31-25 異形コレクション 38)
心霊理論 (光文社文庫 い 31-25 異形コレクション 38) / 感想・レビュー
佐倉
心霊そのものではなく、心霊についての理論をテーマにして描かれるアンソロジー。認知心理学や大脳生理学など実際の科学を元に描くものもあれば架空の理論や設定を用いるものもあれば議論そのものを描くこともあって総じて好きなテーマ。印象に残った作品は『ブラジル松』春日武彦と『くさびらの道』上田早夕里はそれぞれ松と真菌を描くSFでありしっとりとしたホラーでありという雰囲気。『共振周波数』小中千昭は実在のガジェットと業界のリアリティによる音の怪異譚。『赤歯型』赤松健は怪異否定の議論とそれが覆されるラストがたまらない一作。
2023/12/20
紫
『異形コレクション』シリーズから幽霊テーマの一冊。全19編収録。「心霊とはなんぞや?」という幽霊解釈が本書のテーマ。あれやこれやと切り口は多彩ですが、半分ぐらいは何だかよく分かんない内容でした(汗)。収録作中では『マタンゴ』風味な幻覚キノコパニックSF「くさびらの道」がダントツ。「死後の世界は実在しない、幽霊はそれを見た人間の主観なんだ」という身も蓋もない解釈から衝撃の結末に繋げた「俺たちの冥福」のオチに戦慄し、霊魂を認めずに合理的に分析すると笑撃の結論になってしまった「光の隙間」に唖然茫然。星4つ。
2023/01/18
黒目ソイソース
福澤徹三「憑霊」 藤崎慎吾「光の隙間」 八杉将司「俺たちの冥福」 上田早夕里「くさびらの道」 朝松健「赤い歯型」 平山夢明「祈り」 梶尾真治「葛城淳一の亡霊」 西崎憲「自殺屋」 傳田光洋「そのぬくもりを」
2012/06/22
らふぅ
まあまあ
2011/01/22
ひょろ
例への考察が実に面白い。 小林泰三もの「ホロ」はよく練られた作品。
2020/01/03
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