臨場 (光文社文庫 よ 14-1)
臨場 (光文社文庫 よ 14-1) / 感想・レビュー
遥かなる想い
2004年このミス国内第九位。 「臨場」とは事件現場に行き初動捜査に当たることらしいが、本書はその検視官を描いたもの。「終身検視官」と皆に崇められる倉石の存在感が圧倒的で小気味よい。短編集だが、様々な事件のポイントに 現れ、淡々と事件解決にあたっていく。だが、横山秀夫が描くのは、 警察組織で蠢く人間関係や、事件の 背後にある被害者の哀しみであり、 簡潔な文体とあいまって、読者を引き込んでいく。 気のせいか 女性の登場が多かったような 気がするが、どの女性もどこか凛として 気持ちが良い。
2013/07/06
ehirano1
とてもとても楽しい読書でした。なぜか?当方の謎解き予測が1つも当らなかったどころかかすりもしなかったからです(失笑)。このようなクライムサスペンス系は総じてかするくらいはするのですが、本書では石倉校長に完敗です。ついでに人間的にも完敗なのですが・・・・・凄過ぎですよ、石倉校長。
2016/09/14
サム・ミイラ
映画を観てから読みました。素晴らしい小説です。映画とはあまりにも違う。違いすぎる。どの話も泣けました。特に餞には号泣。とにかく読んで良かった。たぶん映画だけでは誤解してしまいます。ほんとに酷い作品でしたから。なんでこうなるのか。悲しくなります。映画ドラマで懲りた人、読んでみて下さい
2014/05/20
yoshida
「終身検視官」の異名を持つ倉石義男が他殺か自殺か見極める。充実した短編を8編収録。横山秀夫さんの重厚な文体で、死者達、そして生者達の秘めた想いが描かれる。個人的には「十七年蝉」が最も印象に残りました。高校生だった永嶋は、不良達により恋人の朱美を喪う。紆余曲折あり警官になった永嶋。彼は十七年間、朱美を忘れる事はなかった。倉石の力で前に進む勇気を持つ永嶋。また、「声」も重い内容だが胸を打つ。横山秀夫さんの作品は、人物の内面を丹念に描いており、そこから織り成すドラマに心打たれる。充実した短編集。他作品も読もう。
2016/09/17
抹茶モナカ
「終身検視官」の異名を持つ倉石調査官の男気溢れる姿を幾つかの事件を通して描く短編集。ハードボイルド小説的側面もある。検視のシーンは思っていたより少ないと思わせる程、自然に挿入されていて、やはり、人間模様がメイン。結構、好きな感じだったけど、続編はないのかな?
2014/06/14
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