KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4)

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4)

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4)

作家
石持浅海
出版社
光文社
発売日
2008-05-13
ISBN
9784334744175
amazonで購入する Kindle版を購入する

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

三代目 びあだいまおう

メロスを無条件で信じ囚われの身となるセリヌンティウス、親友の到着が遅れれば自らが死刑となる。本作全体に漂うのは太宰の名作『走れメロス』 ダイビングで偶然一緒になった6人の男女が嵐に巻き込まれ死を覚悟するも、各人の必死の思いで生還。その奇跡の体験は真の『信じ合う』一体化を生んだ!それなのに、その一体化した仲間内の傍で一人の女性が服毒自殺!何故? 行きつ戻りつの迷路迷走に展開し、読後残るのは最初の方で感じた違和感と「果たしてその自殺は意味あったの?」 小説としてはわかりますよ、でもザラザラ感が残ってる‼️🙇

2019/02/16

相田うえお

★★★★☆17071 海での短いシーン以外は、殆どマンションの一室における5名の会話で話が進んでいく構成で、登場人物が少なく場面チェンジも少ないため、例えばこれを映画化したら低予算で製作可能かもしれませんね。ネタも極めてシンプルです。しかしながら会話のやり取りや進行,内容が、読み手の想像または希望する通りになってくれることが多く「そうそう!だよね〜」と共感してしまい、いつの間にか引き込まれてるんです。『卵が先か鶏が先か』みたいにも思うのですが、先が気になって目が離せなくなる一気読み作品でした。走れメロス。

2017/07/27

ダイ@2019.11.2~一時休止

仲間の自殺を見直す話。ひたすら問題提起と回答の繰り返し。最後のほうまで誰が探偵役なのか判らなかった。

2015/11/21

🐾Yoko Omoto🐾

独特な感性と人物造形、一貫した「ならでは」な倫理観が魅力の石持氏らしい作品。悪天候のダイビングで生死の境をさ迷った6人は普通の生活では決して得ることの出来ない固い絆を得た。が、仲間の一人が突然の自殺を遂げ残された5人は『信頼』に基づき、彼女の「死の意味」を思考していく。信じているからこそ不可解に思える彼女の死に方と、自殺を手助けした人物の存在の有無を「走れメロス」になぞらえて理詰めで推理していく。中盤の議論の繰返しには少々イラつくが、伏線と各人の思考回路の結実は見事で、納得の結末とラストシーンに大満足。

2014/01/28

セウテス

ある絆で繋がった6人、3人づつの男女が、その中の一人の女性が自殺した事で、その意味や真実を明らかにしようとする物語。特定の探偵はやはり存在せず、普通の人物であり年齢もバラバラの仲間が、議論しあいながら推理する。人の突然の死に遭って悪人を創らず、あくまでも爽やかな人間ドラマのミステリを描く、という作者の意図は解らないでもない。しかし普通の人がこの様な議論を経て推理するには、もっと切羽詰まった危険が迫っている必要が在るだろう。どうにも舞台俳優が力を尽くして演じていた舞台そのものを、観ている様な感覚であった。

2017/06/27

感想・レビューをもっと見る