霧に溶ける 新装版 (光文社文庫 さ 3-108 笹沢左保コレクション)
霧に溶ける 新装版 (光文社文庫 さ 3-108 笹沢左保コレクション) / 感想・レビュー
セウテス
笹沢左保コレクション2〔再読〕ミスコンの最終選考に残った5人の美女たちが、次々と狙われていく。最初は交通事故による入院、その後次々と3人の死亡が確認され、連続殺人の疑いで捜査が始まる。必然的に疑われる5人目の女性は、片腕の無い男と不倫関係にあった。1人は密室にてのガス中毒死であり、1人は自宅にて吊棚が外れ落下物による死亡であった。簡単なトリックではあるのだが、見落としがちな盲点を突いている。謎と謎が絡み合い、いったいどういう事だとなる。最後で明らかとなる全体図は、見事な構成であり贅沢でもある、名作である。
2019/04/11
coco夏ko10角
ミスコンの最終までいきついたミス候補十人、その中で特に期待される東京代表の五人の美女、しかし次々と事件が…。全体のは近いのを読んだことがあったけど、この作品がそもそも1960年発売って考えるとすごい。タイトルとラストの余韻がいい。
2019/07/18
yumiDON
ミスコンテストを巡る、五人の参加者に次々と訪れる不幸。華やかな美女達が殺された謎を解くパートと、参加者の一人である杉静子の道ならぬ恋とが、なめらかに絡み合い、素晴らしい本格推理ものを作り上げている。かなり前に書かれたものだけど、文章は読みやすく、時代の違いの違和感はなかった。この方の言葉の使い方好きです。トリックも予想がつかないものばかりで、素晴らしかったです。どこか港町を思い起こすような、雰囲気のある話でした。
2014/12/01
カノコ
古き良き、端正な本格推理。ミスコンの参加者たちが次々と狙われる…という設定自体、時代を感じる。事件の構造がとてもよく出来ているが、印象に残る探偵も登場せず、全体的にとても地味だ。また、静子が執着する程の魅力を小牧に感じられず、何だか違和感があった。タイトルは綺麗だ。
2015/10/17
コチ吉
最近特殊設定のミステリを立て続けに読んだので、こういう作品はホッとする。犯人の動機には目をつぶるとして、事件の構図やトリックにはやはり唸らされた。いい意味でも悪い意味でもミステリでしかあり得ない話だ。
2020/02/02
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