パラドックス学園: 開かれた密室 (光文社文庫 く 10-8)
パラドックス学園: 開かれた密室 (光文社文庫 く 10-8) / 感想・レビュー
セウテス
ミステリアス学園の続編。主人公湾田乱人は、今回イギリス人ワンダー・ランドとして、パラレル学園に入学する。そこはミステリの中の法則に支配された世界であり、ミステリ小説のごとき事件が当たり前に起こる世界である。彼が入部した研究会には、エドガー・アラン・ポー部長を筆頭に、コナン・ドイル、モーリス・ルブラン、アガサ・クリスティと、この世界では未だミステリを書いていない巨匠たちがいるのだ。やがてシェルターという密室の中で、カーが撲殺されてしまう。これしか無いだろう究極トリック、もう素直に笑って傑作という事にしよう。
2018/12/30
おかむー
あぁこりゃものすごーく読み手を選びますな。『もっとがんばりましょう』。ミステリ作家になる前のミステリの大家が集うパラドックス学園パラレル研究会、ミステリのなかの事件が現実として起こり、ミステリ小説が存在しないその世界で研究会のメンバーのひとりが密室で殺される。ラストで明かされる事件の真相から、著者の「どお?俺の意表をついた仕掛け、予想できないでしょ?本自体の仕掛けも駆使しててすごいでしょ?」というドヤ顔が見えすぎてうんざりします。しかもその仕掛けが著者の狙いどおりに機能していないので「だから?」と興ざめ。
2015/05/28
えみ
ちょっと驚くくらい主張が沸いている。まさかミステリ小説のミステリ小説によるミステリ小説のための推理と向き合う日が来ようとは…。こんなにパラドックスの世界に翻弄されるなんて思っても見なかったし、何故か悔しい。矛盾に狂気を孕みミステリ界の巨匠である作家たちの奇想天外な発言に後押しされて読者である自分も書物の中の登場人物として召喚される。この大いなる矛盾と逆説の満ちた世界へ。予想越えの愛すべき馬鹿馬鹿しさを堪能した!個人的に装丁の端に申し訳程度に[本格推理小説]と入っているのが好き。そうだけどさ、って笑える。
2021/12/15
yumiDON
これはバカミスの部類に入るのでしょうか。とりあえず、私は大丈夫だたかな。おバカな感じに笑いました。主人公のワンダー・ランド(この名前からしてもう…)はパラレル研究会に入部するが、そこにいたメンバーは高名ミステリー作家と同じ名前の人ばかり。ポーやドイル、アガサやカーなど、キャラもよかった。しかし、十角館にしろ、これにしろクリスティの名を冠するキャラはやはり美しいのですね。
2015/11/29
とも
★★☆過去のミステリー作家勢揃いの学園で巻き起こる殺人事件を解決する物語ではあるが、明らかにテーマ負け。結論も、ほぼ無理矢理でひどいもの。鯨統一郎の当たり外れで言えば、完全にハズレの部類。
2015/05/04
感想・レビューをもっと見る