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魚舟・獣舟 (光文社文庫 う 18-2)

魚舟・獣舟 (光文社文庫 う 18-2)

魚舟・獣舟 (光文社文庫 う 18-2)

作家
上田早夕里
出版社
光文社
発売日
2009-01-08
ISBN
9784334745301
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魚舟・獣舟 (光文社文庫 う 18-2) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

短篇を5つと中篇1つを収録。これらの中ではやはり、表題作の「魚舟・獣舟」だろう。着想の斬新さと構想の独自のスケール感は他には見られないものがある。ただし、きわめて残念なことには、それを物語る文体が同人誌の域を一歩も出ていないことだ。否、むしろ作家はコミケで自分の雑誌を買ってくれるファンを想定して作品を書いているかのごとくだ。それがとりわけ顕著に表れるのが会話文。また、エンディングの甘さも気になるところだ。既に小松左京賞や日本SF大賞を受賞している作家であり、本書も読者の熱烈な支持を得ているようなのだが。

2017/07/07

射手座の天使あきちゃん

読友さんの感想にそそられて初上田さん <(^_^; 退廃的で刹那的、そして異形のもの達 すべてが凄~く好きな雰囲気です。 「魚舟・獣舟」この異世界はぜったい長編で読みたいです。 「くさびらの道」人間は愛情が理性に勝る生き物なんですね。 「真朱の街」怖いけど彷徨ってみたいかも(笑) 「小鳥の墓」実現したら空恐ろしいですね。 次「華竜の宮」読んでみます! (^_^)v

2013/11/23

hit4papa

ハードSFっぽい設定も素敵なのですが、ミステリアスなストーリー展開が一気読みさせる力を持っています。なにより、セリフ回しとテンポが抜群に心地良いですね。日本人女流SF作家のすばらしさを教えてくれた短編集です。

Miyoshi Hirotaka

風の谷のナウシカ、未来少年コナンなど作者の自由な想像力は文明が滅びた後にどのように再生するかを描き出す。この作品は、海との絆がテーマ。陸地がほとんどなくなり、人類は海上民と陸上民で別々に住むようになる。海上民は海に適応して進化し、双子で生まれ、一体は人間、一体は魚になる。十数年後、人間と絆を結ぶことができたものは、魚舟として人間と共生し、そうでないものは、獣舟という敵になる。失った絆を回復しようとする女性と陸上民になってからも挫折を味わう男性の偶然の出会いから人間とは何かという根本的な問題を提起する。

2017/01/24

文庫フリーク@灯れ松明の火

わずか27ページの表題作。陸地の大半が水没した未来社会。人類は残った陸に生きる者と海に生きる者とに分かれる。海の民の女性は妊娠すると必ず双子を生む。一人は人間の形。一人はサンショウウオに似た魚の形に生まれ、海へと放たれる。過酷な海で生き延び大人になった魚は、人型の片割れ‐兄弟姉妹の元へ戻り〈操船の歌〉によって〈操舵者〉と〈舟〉の関係を結ぶ。自分の片割れの魚を〈朋〉と呼び、全長30メートルを越える巨大魚の背中にある外骨格の空洞内部が海の民の居住空間となる。そして〈操舵者〉を持ち得なかった魚舟が成長後→続く

2012/09/22

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