現実入門: ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫 ほ 5-1)
現実入門: ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫 ほ 5-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
「人生の経験値」が極端に低い(42歳にもなって、海外旅行も一人暮らしも結婚もしたことがない)穂村さんに、様々な現実を経験させるという雑誌の企画が持ちあがった。そこで、人生初体験の献血をはじめ、さまざまなことに挑戦するのだが…。抱腹絶倒の挑戦記だ。彼の方法は、ひたすら妄想を膨らませることにある。いずれの項目もこれ妄想のオンパレードであり、そこに個性もあり、面白みもある。ただ、最後の「木星重力の日」と「あとがき」は、はたして現実だったのだろうか。それとも、これも妄想?実に巧みな穂村マジックの世界に捉えられる。
2013/05/02
こーた
読みおえて本を閉じると、表紙のタイトルが目に入ってニヤリとする。むー、これが現実かあ。ほむらさんの挑む現実は、ぼくもほとんど経験したことがない。献血、占い、結婚式、お父さん。果敢に現実に入りこみ、自身もその一部となって、現実そのものが変化する。それを文章に書くことで、世界とのずれが生じる。おお、何だか、量子力学の観測問題みたい。電車に揺られて読みながら、クスクスとときに声を出して大笑いしていると、いつのまにやらぼくまで現実に取りこまれて、気づけば向こう側へ連れされている。そうか、これが現実なんだ。
2019/03/10
きさらぎ
42歳にしては経験値が低いほむらさんを連れだし、いろいろ経験してもらおうという企画の本。最後の最後は(°°) そうかあ。そこへもっていくための布石だったのかぁ。
Emperor
タイトルに惹かれました。「人生の経験値」が低い穂村さんの体験型エッセイ。現実と少し距離を置いたところでふわふわと浮遊しているような印象で、違う星から来た人のエッセイを読んでいるような気分になりました。江國香織さんの解説も面白かったです。
2016/11/26
団塊シニア
占いのところが面白い、結局なにひとつ当てなくてポイントになる情報は全部筆者が提供してる。そして不況だから会社やめるなには確かに驚きです。笑える場面が多い一冊です。
2012/07/16
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