さすらい (光文社文庫 ひ 16-1)
さすらい (光文社文庫 ひ 16-1) / 感想・レビュー
巨峰
タイトルはヴィムベンダーズの映画からだそうで。まあ、こっちのさすらいはちょっといかれてるけどw同じ町で育った20代のいかれた4人の若者のクライムアクション。それにしてもまぶたを切り取られたら眠れないと思いますw台詞だけが浮いているってコメントの人に同意!やたら文学的だったり理知的だったり文化的だったりする。でも、それが面白いのだ。(ところで、さすらいといえば、小林旭。夜はまた来る♪)
2015/08/26
わっぱっぱ
オフロードを全開で突き進むイカれた男どものイカれたお話。とことんジャンクだけど、読者を泣かそう泣かそうと感動フレーズてんこ盛りにした小説よりよほど胸に残るものがあります。思うようにならないのが人生だけど、思い通りになってもつまらないのが人生だよなぁ。こいつら全員バカだけど、人間の実相を体現してるようにも思えてなかなか深い。全編通して笑った!とりわけ智也が別れた女から責め立てられた際の切り返しシーンが最高。
2017/02/13
GAKU
裏切られても、ボコられてもめげないマザーファッカーな主人公四人。やることなすことメチャクチャ。疾風怒濤のごとく話は進んで行く。一言でいったらしょうもない小説。だけど読後何故かジーンとくるものがある。主人公達の考えやセリフに結構心動かされる。作者の世界感が自分の波長と合っているんだろう。「路傍」も良かったけれど、これも負けず劣らずの作品でした。ただ他の方がレビューに書かれていましたが、万人受けはしない小説ですね。
2015/08/16
スパイク
こういうの待ってました…といっても万人受けはしません。ワイルドサイドの物語だから登場するのは暴力、ドラッグ、裏切りとかが日常のマザーファッカーばかり。垣根涼介・馳 星周・花村 萬月とか、あのへんの系譜です。カッコいいエンタテイメントはクールかハードかポップか、そのどれかが抜きんでていなければならないけど突き抜けてる。そこらへんのハート❤ボイルド小説なんかクソに思えてくる。読みながら涙ボロボロ流してしまうけど何も残らないハートウォーミングな小説とこれとどっちか取れと言われれば、まちがいなくこっちを選びます。
2015/05/28
サンディK32
のっけからパンク調なのりでバイオレンス作かと思いきや、ビート風な雰囲気もあり、ロードしないロード作のような… 詩的要素はみえないが各科白、特に智也くんにはポップセンスを感じます。「何かが足りなくて、違いの意味も分からない」常に欲求不満の若者が抱える“咆哮”と言えなくもないが、理屈じゃ説明出来ない“友情”に囚われてもいる。結果、今の所一人じゃないのです。『永遠につづいていくものは、つづけようと思ってつづけられるものじゃない。どんなにふりほどいても勝手につづいていくものだ』若者の名言でした。
2016/10/08
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