松本清張短編全集 9 (光文社文庫 ま 1-21)
松本清張短編全集 9 (光文社文庫 ま 1-21) / 感想・レビュー
KAZOO
この中には現代もの6編、時代もの1編が収められています。「真贋の森」は中編ですが、清張の鬱屈した気持ちが書かせたのではないかという気がします。また「発作」などはひとの心の動きをうまく描いてくれています。「千利休」は切腹までの利休の気持ちの動きをうまく描いています。
2014/12/30
ソーダポップ
この短編全集9には、画家や画商を主人公にしたり、美術界の軋轢をテーマにした「装飾評伝」「真贋の森」そして「千利休」松本清張の美術への関心を反映した短編に注目したい。割烹料理屋を舞台にした「氷雨」は女心の機敏が印象に残った。サラリーマンの苛立ちが電車の中での事件へと収束する「発作」は、松本作品のホラーといえる。気怠い展開とラストの旋律とのコンストラストが巧みでした。小都市の市政の内情を捉えた「紙の牙」法医学の隙をついた「誤差」は、いろいろな意味で人の死が単純でない事を物語っている、どれも俊逸な短編集でした。
2022/12/11
とろとろ
清張短編全集第9巻。7つの短編集。本人の解説によると、ちょっとしたきっかけやヒントから話を書いていると、いとも簡単そうに解説しているが、どれも常人では思いつかない。物語は淡々と書かれているように見えるが、そう思う事こそが見事な話の展開なのであろう。最後の「千利休」は、芥川の小説を彷彿とさせるやうだった。
2015/11/26
団塊シニア
人間心理を追求した短編集です。昭和の時代の作品であるが新鮮です。表題作「誤差」「氷雨」「紙の牙」予想できない展開が面白い。
2012/08/06
ランラン
毎回そうであるが短編ならではの面白さがあり清張の神髄をみることができる。
2021/04/30
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