セピア色の凄惨 (光文社文庫 こ 37-1)
セピア色の凄惨 (光文社文庫 こ 37-1) / 感想・レビュー
うさみみ
探偵に託された色褪せた四枚の写真。その全てに映る親友「レイ」を探して欲しいと依頼人は言う。僅かな手がかりで調査を始めた探偵は、やがて常軌を逸した四人の物語を発見する。「ものぐさ」の貪り食うポテトチップスの秀逸さ、「安心」のにゃんぱらり!の劇物ぶりは圧巻で、ぜひ一度読んで欲しい出来(ただし凄惨が踊り狂う「英雄」ともども、残酷表現に苦手範囲のない人向けではある…)。狂った世界を連ねた最後に待っている、靄に包まれていくような幻想的なラストは好み。
2019/02/21
カムイ
小林さん、やってくれますね、グロさが軽やかでこう云う人いるだろうと思い、何がまともなのか一瞬戸惑いました【待つ女】【ものぐさ】【安心】【英雄】間幕に【探偵と依頼人】本筋は【探偵と依頼人】トークが惚けててこの先どう転んでいくのか不安であったが、4つの短編でなんじゃこりゃとなりました(褒めています)上手いじゃないがこんちくしょう❗読友さんの(にゃんぱらり)にはカムイは嬉しくなりましたね、カムイ的には【英雄】が好みです実際にいそうで怖いです、【ものぐさ】は胸がぎゅ〜うと締め付けられ遣る瀬ない気持ちなった→
2020/02/24
koma-inu
親友を探して欲しい、という依頼を受けた探偵が、ハチャメチャな調査を繰り返す、連作4編。えーっと、これは小林さん好きの私でも、ついていけません笑。「待つ女」これは唯一ミステリ要素あり、楽しめた。「英雄」だんじりを通じて漢を語る話。腕も足もちぎれても進む人たち、やり過ぎです笑。依頼に対する回答調査になっておらず、もう、何が書かれていたのか、ただただ、狂気に感じました。小林さんの頭の中は、計り知れない。
2024/08/15
みや
親友の行方を捜す依頼を受けた探偵が写真に写る四人を訪ねていく連作ホラー。一途と狂気は紙一重。こういうの最高に大好き。思い込み、怠惰、心配性、無鉄砲という誰しもがちょっとはある気性が、度を越えるととんでもないことになる。各章とも最初は共感で始まるのに、信念を貫く登場人物たちの固い意志にじわじわと恐怖を覚え、気付けば不条理な世界にポツンと置き去りにされる。笑いと怖いを同時に味わう奇妙な感覚に振り回された。最後の纏め方は微妙だが、単品ごとは素晴らしさの極み。主軸を邪魔しない適度なグロも良い。『安心』が一番好き。
2019/10/25
おうつき
小林泰三作品を読んでいると、普通って一体なんだろうなと思わされる。連作短編といっても良いのか分からないカオスな世界観の中にも、筋が通っている部分があるのが尚更恐ろしかった。人間に対しての暴力的な描写よりも犬猫が虐待されるシーンの方がキツイのは何故なのだろうか。
2022/01/31
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