巻きぞえ (光文社文庫 に 14-12)
巻きぞえ (光文社文庫 に 14-12) / 感想・レビュー
じいじ
10作目の新津ミステリーです。今作の7篇の短篇は、82歳の身には少々刺激が強すぎる作品もありました。好きでウマが合う新津ミステリーですが、私の方の耐性が衰えてきたのだろうと思います。表題作の【巻きぞえ】は、天から降ってきた人間に巻き添えを食らって、恋人が死んでしまうという話。何とも後味の悪い話である。私は【ひき逃げ】がリアリティ感があって面白かった。30歳寸前のOLが主人公。「女房とは離婚するから…」という条件で交際を始めるが、果たしてこの優柔不断な彼と結婚できるのだろうか??!!…。
2023/05/11
ミーコ
久しぶりの新津さん。短編集と言う事でサラッと読めました。1番、響いたのが「行旅死亡人」で印象深かったのが、「解剖実習」でした。ゾクリとしたのが「二番目の妻」に「ひき逃げ」「解剖実習」なんとも複雑な心境であろう母 容子の この先が気になります。
2015/03/24
ニカ
短編だけど、全部「死体」をテーマにしていて、内容もバラエティに富んでいて読み応えがあった。「ひき逃げ」はペットの話しだけど、飼った事がある人とない人で、評価は分かれそうな話しだった。自分は被害者の気持ちが凄く理解できた。
2023/11/07
KEI
「死体」をキーワードにした7編のサスペンス。どれも後味はあまり良くは無いが、考え抜かれた話だった。恋人が飛び込み自殺に巻き込まれた【巻きぞえ】はただの巻きぞえではなく、過去のいじめで自殺した中学生と関係があるのか?意外な結末だった。【解剖実習】文系の夫婦の間に生まれた娘が理系が得意で医学部へ。初めての解剖実習に緊張する娘を前に感慨深い夫婦の過去は?検体が語る真実が想定外だった。医学部学生の精子をもらったのかと思ったが外れた。気楽に読めるサスペンスだった。
2023/08/22
nyanco
「第一発見者」と「ひき逃げ」は同様な立場にたった二者。一方は名乗りでて他方は口を噤む…あの時、ああしていれば…という選ばなかった他方の先…というのはいつも考えることなので興味深かった。「行旅死亡人」は設定として非常に面白かった。しかし死体となった父は弔いたいが、生きている父を探したくない…という主人公の気持ちが今ひとつ理解しきれず、残念。「解剖実習」はテーマに反して爽やかなラスト。背筋も凍る、夜も眠れない…という作品も読んでみたいと感じました。今は現実のほうが恐ろしい…続→
2011/03/11
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