蜘蛛の糸 (光文社文庫 く 15-1)
蜘蛛の糸 (光文社文庫 く 15-1) / 感想・レビュー
utinopoti27
黒川さんの作品では、疫病神シリーズもいいですが、魑魅魍魎渦巻く画壇や骨董の世界で、騙し騙される人たちの描写がたまらなく好きです。胡散臭い雰囲気を醸し出すコテコテの大阪弁もまた良し。本作は、実にしょ~もない男たちが登場し、安っぽいオネエチャンやら儲け話に振り回されるお話。大それたことには手を出す勇気はないねんけど、あわよくば濡れ手に粟の一攫千金を狙いたい。そんな小者ぶりが透けて見えるチープさがめっちゃええねん。第1話は「充血性海綿体」。どないです、このネーミングセンス!黒川センセ、やっぱサイコーやわ!
2017/11/20
Shinji Hyodo
七編の短編集。黒川さんの短編集は初めて読んだのですが面白い。いずれも女性に甘く、振り回されて本懐を遂げられぬままに…それでもメゲないダメンズのお話。周りを見渡してそこら中にありそうな、振り返って見て自分にもあったような…男は皆んな愛すべきお馬鹿だなぁ〜って七つのお話です(@_@)
2017/11/01
ミーコ
黒川さんの作品3冊め。こんな内容とは知らずに借りました。なんともバカバカしく、力が抜ける作品。情けなさを通り越して 笑えてくる様なストーリー。だけど軽く読めるし 挫折もなく終わりました(^^; 「尾けた女」は面白かったです。
2014/11/03
Walhalla
全7話の短編集でした。どれも、ちょっとだらしのない男の人が主人公ですが、その馬鹿さ加減が憎めませんね。良い格好をしたり儲けたりしようとしても、浅知恵は一向に実らず、どんどんダメになっていく様子が面白いですね。『ユーザー車検の受け方教えます』のお話しが特に良かったです。 あと、作中の会話のなかで、さりげなく黒川博行さん自身の作品がいくつか紹介されていましたが、実はどれも直木賞候補にもなった作品ですよね。芸が細かくて面白いですね。
2021/12/07
mr.lupin
黒川博行さんの著書26冊目を読了。七編からなる短編集であったが、黒川さんのユーモアたっぷりのこんな作風もあるんだなと、ちょっと意外な一面を見たような作品だった。何だかどうしょうもなく情けない、それでいて憎めないおじさん達の話を、楽しむ事ができたかな。秀逸だったのは、「尾けた女」と「ユーザー車検の受け方教えます」。 ⭐⭐⭐★★
2023/11/26
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