鹿と少年(上) (光文社古典新訳文庫 Aロ 3-1)
鹿と少年(上) (光文社古典新訳文庫 Aロ 3-1) / 感想・レビュー
白のヒメ
フロリダ半島の荒地を開拓して生活をする家族の物語。厳しい自然の中での自給自足の生活は貧しく大変だけれど、読んでいると心が豊かになっていく。人間が人間らしく生きるということはこういう生活なのだよな・・としみじみ思う。憧れる気持ちが強くこみ上げてきて主人公の少年の中に自分が入り込み、読んでいて夢見心地だった。野生の動物である鹿と少年との関係が、今後どう変わっていくのかも非常に興味が沸く。楽しみながら下巻へ。
2016/01/28
巨峰
アメリカの開拓地「樹島」に住む小さな家族の大きな物語!一見童話のようだが、とっても読み応えがある。一家の父親ペニーがとてもいい。いつも息子ジョディの傍にいて温かく見守りながらも息子に生きる力を授けようとする!こんな父が欲しいけど、でも、実は日本の父たちもこんな父になりたいと思っていると思うんです。仔鹿は上巻の終盤にしかでてきませんが、その出会いのきっかけといい必然性があるもの。素晴らしい訳文も含めて下巻も楽しみです。
2015/10/02
えりか
「子鹿物語」大自然は時に感動をくれる。そして時に残酷。空の青と木々の緑、そして赤や黄色の花たち。色彩豊かな美しい情景が目に浮かびました。ゆっくりのんびり読みたい物語。下巻へ。
2015/07/10
フミ
南北戦争後のフロリダ半島の密林(?)開拓地を舞台にした、少年と父親はじめ、周囲の人々との触れ合いを描いた物語です。作者様が、植物に拘りがあるようで、難しい名前の連続する情景説明は多少、疲れましたが、身体は小さいが、頼りになる父親「ペニー」が登場し、会話のやり取りが始まると、テンポ良く読めて面白くなって来ます。近隣に熊が出没したり、隣の開拓者一家は荒くれ者ばかりだったり、水を汲むにも一苦労だったり、リアリティのある開拓者モノだと感じました。「ファンタジー小説を書いてみたい」という人の参考にもなるかも?
2024/08/17
ぱせり
自然描写にため息。とても美しくて、とても危険な、森の豊穣。家族、近隣の間の緊張感をはらんだ微妙さのなかで、ゆったりと心通い合う父子の関係がすばらしい。少年の、自分だけの愛する動物を、と願う一途さ、瑞々しい感性など、心に残りました。
2010/04/25
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