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老人と海 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-3)

老人と海 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-3)

老人と海 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-3)

作家
アーネスト・ヘミングウェイ
Ernest Hemingway
小川高義
出版社
光文社
発売日
2014-09-11
ISBN
9784334752996
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老人と海 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-3) / 感想・レビュー

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へくとぱすかる

スタンダードの新潮文庫・福田訳に続いて読む。まず一読、読みやすくて非常に印象に残る文章である。「現在」の日本語に、見事に移し替えられているな、と思った。サンチャゴの心の動きにスッと入り込めるし、野球やラジオの話など、初読のときには気がつかなかったが、それが時代を見事に表現していると思った。文学研究的には、1950年9月と特定されているそうである。心の中で、「老人と海」(中山千夏・詞、小室等・曲)をBGMにしながら臨場感たっぷりに読んだが、歌にも移されている通り、老サンチャゴは海と魚たちを愛していたのだ。

2015/02/23

nuit@積読消化中

再読。幼少期に読んだ時は老人が鮫と闘っているところが印象強く、男臭い物語とばかり思ってましたが、大人になって読み返すと、老人のひとり言一つ一つにハッとする部分があり、またある部分では頷ける自分がいます。最後の「負けてしまえば気楽なものだ。こんな気楽だとは思わなかった。さて、何に負けたのか」のセリフを自然に言えるような悟りの境地に早く達したいものです。また、老人を気にかける少年がとてもとても本当に良かったです!

2017/05/20

マエダ

2日かけて18フィートにも及ぶカジキとの死闘、”少年は老人にその歳で海にでるのは変わった年寄りだと言った。”老人はこの大物を釣ることによって自分が少年の信じる変わった年寄りだと証明できる。”そんな証明は、もう千度もしただろうが、だからといって意味はない。今一度、その証明をしようとしている。”老人の船で何度も口にする「少年がいたらなぁ」が心にしみる。

2016/04/02

優希

美しい話だなと思いました。漁師・サンチャゴはひとりで船を出し漁をしている姿に芯のある強さを感じずにはいられません。周りに同乗の目を向けられても自分の闘いに挑んでいる姿が印象に残ります。何事にも屈しない力強い老人の姿に胸を打たれずにはいられません。落ち着いた文章の中に感じる静かな力強さが好きですね。

2014/09/23

HANA

カジキ漁のために海に出た老漁師が帰宅するまでの三日間を追った小説。ただそれなのにこの濃密な文章はどういったものなのだろうか、ただただ老人の行動とつぶやきを通して語られる彼の内面に硬質な文体と共に圧倒されるだけであった。読み終えて最初に浮かんだ言葉が「誇りある敗者」。量の結果こそああなったものの、矜持まで折られたわけじゃない老人の姿が、ラスト一行も含めて本当に格好いいのである。ヘミングウェイがハードボイルドの祖とされているのも納得、ハードボイルドに必須なのが事件ではなく生きざまだと確認させられる一冊でした。

2020/07/30

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