白痴 1 (光文社古典新訳文庫)
白痴 1 (光文社古典新訳文庫) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
「長い・小難しい・テンション高い人々が多すぎ」なドフトエフスキー作品でとうとう、『白痴』に着手。元・癲癇持ちで「白痴」と呼ばれるムイシキン公爵ですが、彼は嫌味ではないピュアさがあって人々がその言動に苛立ちつつも好感を抱いてしまうのも納得。一方で俗物・器の小ささ丸出しのガーニャ、最低!だからこそ、ナスターシアがガーニャに「燃えているお金を拾いなさい!」という場面はドS心にも満足しました(黒笑)いつ、次巻の翻訳が刊行されるのか、楽しみで待ち遠しい作品が増えました。
2017/03/10
はっせー
読書会の課題本。ドストエフスキー作品2作品目。読んでみてやっぱりドストエフスキーだなと思える世界観や文章であった。まず思うのはナスターシャはヤバい。過去最高に変わった女性であろう。それでいて美女ならクセが強い!ブルーチーズかよって勝手に突っ込んでしまった。光文社古典新訳文庫は全4巻のため気長に読んでいきたい!
2024/10/21
Shintaro
やあドスト、久しぶりだね。まあゆっくりしていきなよ。僕もじっくり付き合うつもりだ。前回の『罪と罰』に比べてさらに饒舌になっているね。僕にとっては登場人物の独白を追うだけで物語が展開するから早く読めるが、執筆も早くなるんじゃないかい。それにしても大作を次々に書く執筆意欲は大したものだね。さすが文豪と言われるだけある。本作には金(相続)、恋愛、名誉、人間関係、嫉妬などありとあらゆる要素がある。そして韓ドラのように驚くべき展開がある。ムイシキンはイノセントを象徴する。対して小悪魔のようなナスターシャ。次巻へ。
2017/08/14
星落秋風五丈原
【ガーディアン必読1000冊】三等車に乗っているのは、金髪で顎髭をはやしていて死人のような血色の悪さのレフ・ニコラーエヴィチ・ムイシキン公爵と、黒髪の縮れっ毛の自信たっぷりのパルフョーン・セミョーノヴィチ・ロゴ―ジン。彼は子羊の革つきのコートで暖かそうだがムイシキン公爵は冬のロシアを過ごすにはいかにも軽装で、実際がたがた震えていた。後に、一人の女性を巡って宿命のライバルとなる二人の出会い。もう一人の乗客レーベジェフがエパンチン将軍夫人やその家族ロゴ―ジンの出自などをしゃべってくれ、人物紹介を兼ねている。
2024/08/27
kazi
やっと1巻読み終わりました~。4大小説の中でもっとも難読だと感じるのは私だけでしょうか?登場人物が多い上に各人が複雑な思惑で行動しているので、物語の流れを理解するのに非常に難渋しました。今作も相変わらず巻末にある解説の充実ぶりが凄まじい。作品が成立した当時のロシアの時代背景など、作品を読み進める上で非常に参考になりました。解説でも触れられていたがナスターシャの誕生日の祝いの席でのムイシキン公爵の「あなたは苦しみぬいて、それでもあの地獄から清らかなまま出てこられた」というセリフが気になる。
2021/01/28
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