カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)
カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫) / 感想・レビュー
ずっきん
カンタヴィルの原文で苦戦したところがあったので、おさらい的に。思ったよりガチガチに堅い翻訳文体が面白さを倍増させてるなあと感じる。カンタヴィル以外はリリカルで暑苦しい感じ←嫌いじゃない。『スフィンクス』←翻訳された詩は眼前にそびえる壁。ワイルドに最後まで寄り添った親友エイダ・レヴァーソンの『回想』が興味深かった。以前読んだ『The Devoted Friend』の皮肉っぽさというか救いの無さに愕然としたけれど、ちょっとオスカー君のことがわかってきたような気がする。
2020/10/20
nuit@積読消化中
東雅夫氏がブログにて映画『クリムゾン・ピーク』を観る前に「カンタヴィルの幽霊」を読んでおくと吉と書かれていたので手に取りましたが、これがものすごく個人的にはアタリ本でした。表題作はもちろんのこと、ワイルドの友人であるエイダ・レヴァーソンの回想や作品も付録で載っており、これもまたかなり惹きこまれ、こんな本を出された南條竹則氏と光文社はホントすごいです!「スフィンクス」については、まだまだ知識の足らない私には難解でしたが、また時期を置いて読み直してみたいと思います。
2016/01/18
巨峰
ワイルドとワイルドから「スフィンクス」というあだ名をつけられた友人で女流作家であるエイダ・レヴァーソンの短編小説を集めた一冊。邪悪だけど意外にハッピーな落ちのものが多くて楽しめた。読後レヴァーソンの小説をおさめた理由もなんとかくもわかる。ワイルドという人となりを知るにはなかなか適切な選択だったのではなかろうか。
2015/12/12
コジ
★★★★☆ 全く予備知識なしで読み始めたおかげで、冒頭「アーサー・サヴィル卿の犯罪」をてっきりサイコ・ホラーと誤解し、オチにびっくり。よく考えたらワイルドは「幸福な王子」の著者でしたね。「カンタヴィルの幽霊」はコメディーホラー、こんなマメである意味真面目な幽霊なら出会ってみたい。他のワイルド作品もブラックながらも味のある良作。唯一「スフィンクス」(詩)は原文を読める人ならその良さがわかるのかもしれないが、自分は理解できなかった。さらにワイルドの親友エイダ・レヴァーソンとのコラボ作品もあり期待以上の面白さ。
2018/02/11
拓也 ◆mOrYeBoQbw
短篇集+長篇詩+回顧録。ワイルドとエイダ・”スフィンクス”・レヴァーソンの作品を収めた一冊。ワイルド、キプリング、宮沢賢治などは語るべき要素の多い作家ですが、この一冊は純粋にワイルドとエイダの作品を楽しむだけじゃなく、エイダの回顧録や作品からワイルドの創作術を想像出来る面白い編纂になっています。アイディアに富んで稀有な天才と言っても過言じゃないワイルドですが、彼も様々なモデルや事象、体験を通じて作品を作っていたのが興味深いですね~(・ω・)ノシ
2018/03/05
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