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未成年1 (光文社古典新訳文庫 Aト 1-22)

未成年1 (光文社古典新訳文庫 Aト 1-22)

未成年1 (光文社古典新訳文庫 Aト 1-22)

作家
ドストエフスキー
亀山郁夫
出版社
光文社
発売日
2021-11-16
ISBN
9784334754525
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未成年1 (光文社古典新訳文庫 Aト 1-22) / 感想・レビュー

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榊原 香織

全3巻の1 貴族の私生児、複雑な青年と父親との関係。実際の思想的陰謀事件を背景に。 この頃のロシア文学はやたら訴訟多いな

2024/08/31

おたま

実は『未成年』を読むのには、かなり躊躇した。前評判では、やれ「カオスだ」とか、「失敗作」とか、「難解」とか、いろいろ否定的なことを読んだ。でも、あの亀山郁夫氏の新訳で出たと聞き、それならばと思い読んでみた。まずは亀山さんの「読書ガイド」に目を通す。その冒頭にも「人間関係のあまりの複雑怪奇さ」、「作品全体を包み込む混沌とした気分」と書かれている。「やっぱり」と思いつつも、本文を読む。アルカージーという20歳の青年の手記。これまでのドストエフスキーにはない一人称での語り。これが曲者だった。⇒

2021/12/15

Gotoran

知識人の貴族ヴェルシーロフは、一家の長でありながら、「宿命の女性」アフマーコワへの情熱に駆られ破滅への道を歩む。一方、彼と使用人の間に生れた私生児アルカージー(主人公)は、日陰の生立ちのため世を憤り、富と権力を得ることを求めながら、父の愛を渇望する。少年から青年への 成長途上の主人公が、父との再会、女性への恋、理想の追求と挫折など、様々な体験を通して、一段上の精神の成熟を獲得していく。光文社古典新訳文庫版3巻の内の第1巻を読んだ。引き続き、第2巻へ。

2024/08/26

ケイトKATE

ドストエフスキーの五大長編小説の中で最も人気がなく、語られない小説である『未成年』。今回、亀山郁夫が新訳してくれたので読んだ。『未成年』は主人公のアルカージーの独白で進む。アルカージーは貴族のヴェルシーロフと農奴のソフィヤの間に生まれた庶子であった。そのため、周りから蔑まれることが多く、卑屈な性格を持つようになった。20歳になったアルカージーは、ヴェルシーロフと出会うが嫌味や悪態ばかり突く。アルカージーの言葉は、憎しみに満ちているが拒絶までに至っていないのは、心の底では愛を求めているように思えてしまう。

2023/03/17

みつ

四十数年前の大学時代、ドストエフスキーの五大長編の最後に読んだ作(当時は新潮文庫)で、ひどく暑い時期に読んだことしか記憶にない。圧倒的な力で引き込まれる彼の作品では極めて異例で、意を決して再読し始めた今回も、現時点では、解説にもあるように「混沌」と「無秩序」の中を彷徨うばかり。主人公=語り手のアルカージーの一人称小説であるが、「ロスチャイルドになる」を持つ彼の内面は、他の作品の登場人物の如く「哲学」を饒舌に語ることは希薄。裏表紙にある「魅力的な「女性」と「悪人」たちの暗躍」もピンとこない。ともかく次巻へ。

2024/06/11

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