未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23)
未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23) / 感想・レビュー
榊原 香織
全3巻の2。 急に面白くなってきた。この、熱に浮かされたような感じ、ドストエフスキーて感じ。 1はなんだかな、と思ってたけど、この作品、分かりにくくて有名で失敗作と言われているらしい。 カラマーゾフ”大審問官”を思わせるセリフもさらっと出てきて、ファンにはうれしい。
2024/09/01
Gotoran
ロスチャイルドなる夢を抱いていた主人公アルカ―ジーは、突然変身し、高級レストランに通い、テーラー誂えの最新モードの服装、お抱え御者、そして連日のルーレット賭博に興じる。ひたすら放蕩に身を委ねていき、酒、賭博の泥沼にのめり込み、腐敗した醜悪な人間関係に傷ついていく。 ‥‥ストーリーが複雑で分かりづらいと感じつつ、最終巻へ。
2024/09/21
ケイトKATE
2巻(第二部)でアルカージーは突然、贅沢三昧にルーレットに嵌るなど暴走しているのに驚いてしまう。ある意味、アルカージーは少年から大人へ成長している段階なのかもしれないが、アルカージーを放蕩へと導くセルゲイ公爵、初恋の女性カテリーナと、アルカージーの周りに登場する人物はどこか癖がある。そして、不仲だった父ヴェルシーロフとは和解していくのと思いきや、カテリーナを巡って恋敵の関係になってしまう。いやはや、アルカージーに幸せはやって来るのだろうか。
2023/03/24
みつ
第2巻に至り、この混沌と無秩序の小説の読み方が、おぼろげながらわかってくる。これは「未成年」である若者が、周りの大人に翻弄され、贅沢な暮らしや賭博で方向性の定まらない日々を送る物語。人物のアクの強さはドストエフスキーならではで、とりわけ異常にプライドが高いくせに自堕落な行動を続けるセルゲイ公爵の悪魔的な面が、実の父ヴェルシーロフ以上に印象を残す。仲睦まじい妹のリーザも大変なことになってくる。成長小説の可能性も残しつつ、ここまで登場人物の誰もが主人公の「人生の師」になりそうにないのが、ある意味凄い設定。
2024/06/12
ひと
1巻の終わりから2か月後、主人公アルカージーは身なりをかえ、高級レストランや賭博に通うようになっていた… なかなか複雑な話しでますます人物関係が分からなくなってきて、解説でもドストエフスキーの小説のなかでももっとも複雑怪奇と書いてあったので納得しました。
2023/05/12
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