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好色一代男 (光文社古典新訳文庫 K-Aイ 1-1)

好色一代男 (光文社古典新訳文庫 K-Aイ 1-1)

好色一代男 (光文社古典新訳文庫 K-Aイ 1-1)

作家
井原西鶴
出版社
光文社
発売日
2023-04-12
ISBN
9784334754785
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好色一代男 (光文社古典新訳文庫 K-Aイ 1-1) / 感想・レビュー

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うののささら

ひさびさに古典。京都大阪でおこった元禄文化。経済的余裕から町人の娯楽が生んだ井原西鶴。大商人の息子世之助の愛欲にまみれた一生を描く。在原業平をパロってるかな。流浪して各地の遊里で得体のしれない女を買い漁る。次々おこる色恋沙汰は内情を知れば知るほど女を嫌になる。源氏物語など文学作品を皮肉ったり当時の風俗を語ったり面白かった。さすが当時のベストセラー。徳川の世の中も綱吉の時代落ち着いてきて、既存の倫理道徳を壊す新しい文化が町人から生まれてきたのは面白い。

2023/07/05

巨峰

これが井原西鶴か。実際に一番エロかったのは巻一あたり。この頃は世之介は少年期で、欲望が先に来ている(特に陰間からみのところがエロい)しかし、巻が進むにつれてセックス産業が江戸文化に抱合されている様子が良くわかる。もはや生身ではなく、しきたりなのだ。日本はなんでも「道」にしてしまうとよく言われるけれど、セックスも日本人にかかれば「色道」なのだ。遊ぶのはお金は必要だけど、それだけでは絶対にない。上手く遊べない人は嘲笑されるし、逆もまたしかり。それは、遊女側もまたしかり。遊ぶのもプロ、遊ばせるのもプロ。

2024/10/11

優希

早熟ぶりを見せたかと思えば遊女たちとの好色生活。女性に溺れきっている、それだけの生活を描いているのに何故か面白かったです。江戸時代の文学は洒落本が多いからでしょうか。

2023/11/30

春ドーナツ

浅学なので(短い前置き)、先日読んだリチャード・パワーズみたいな博覧強記な書きぶりに面食らう。一頁丸ごと傍注のみ、というのが数か所あったけれど、そんなの初めて見た。訳者の熱意が感じられる。さらに、ここ十年間で一番充実した訳者あとがきだったな、と振り返りながら魂消る。ナボコフの「エヴゲーニイ・オネーギン」みたい(たぶん翻訳はされていないと思う。だから単なる比喩です)。冒頭の面食らいの背景を全方位的に知ることができた。なんかねえ、枕草子を読んでいるみたいだった。小説というか、随筆みたいな。「みたい」多いな。

2023/05/20

北風

学生時代、このタイトルが教科書に載っているのが驚きだったけれど、そーいう話じゃないんだな。江戸当時の娯楽小説だけではなく、当時の風俗を描いている。主人公の世之介がダメンズなのが、うけたんだろうか? 放蕩三昧で勘当されて、若い頃の貧乏であっちこっちで女を引っ掛けては捨てるってホントさいてー。その後莫大な遺産を受け取り、遊郭通い。今で言うところのチートってやつですね。そういうのっていつの時代でも人気なのかな~。最後は海の藻屑になったんだろうな。巻き込まれたお友達ご愁傷さま。

2023/05/15

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