シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫) / 感想・レビュー
k5
よく考えるとモリアーティって何が悪いのか、どこにも書いてないんですよね。大組織を操って世界を恐怖のドン底に陥れたって話なんですが、ホームズの口上だけで悪いと思わせる技術がすごいなあ、と大巨匠に妙に感心してしまいました。「赤毛連盟」の変奏ではあるけど、「株式仲買店員」が一番おもしろくて、次点は「ギリシア語通訳」ですかね。
2021/07/29
セウテス
新装版にて再読です。このシリーズはたいへん読みやすい。人気のあった十二編が紹介されていますが、中でも発表当時削除されていた『ボール箱』が含まれています。またホームズの若かりし頃の話『グロリア・スコット号』や、七つ上の兄の話『ギリシャ語通訳』等幅広い組み合わせは最高です。さらにはホームズ宿命の相手モリアーティ教授との『最後の事件』に到っては心が奮えました。日本有数のシャーロキアンである日暮氏が翻訳しており、豊富な知識に裏打ちされた文章は、私達のイメージするホームズを大切に描かれていて、他の翻訳とは別物です。
2015/01/15
tengen
シリーズ4作目。銀星号事件や白銀号事件とも訳される名作「名馬シルヴァーブレイズ」、ホームズが宿敵モリアーティとの対決で最後を遂げる「最後の事件」を含む短編集。ホームズを抹殺したドイルは大いなる批判を浴び10年後に復活させるのだが。☆新訳はホームズ像を決定付けたとも言われるシドニーパジットの挿絵も楽しい。 ☆彡 名馬シルバーブレイズ/ボール箱/黄色い顔/株主仲買店員/グロリアススコット号/マスグレイヴ家の儀式書/ライゲイトの大地主/背中の曲がった男/入院患者/ギリシャ語通訳/海軍条約文書/最後の事件
2018/05/06
ありす
【ホームズ短編集第2弾】一番印象的だったのは『最後の事件』。2冊目にしてもう最後の事件なの?っていう驚きと、松岡圭祐さんの"シャーロックホームズ対伊藤博文"はこのあとを書いた作品なんだなと思い、思わず本作に書かれていないことまで想像してしまいました。そしてもう一つ心に残ったのは『黄色い顔』の最後で、"ノーベリ"と耳打ちしてくれないか、というホームズの一言。ホームズの性格が知れる一面だなと思いました。
2019/06/03
aika
ホームズの過去を知る人物が登場して彼の人物像がより深化し、ホームズとワトソンの絆が感じられる短編集でした。特に、「最後の事件」はいつもとテイストが違っていて、ドキドキしながらページをめくりました。宿敵モリアーティ教授との対決。命の危険があるにも関わらず、ホームズが心配で彼に随行する思いやりに溢れたワトソンと、彼を真の友人だと言い残し、姿を消したホームズとの絆の深さに、思わずほろりとしてしまいました。続きが本当に楽しみです!
2016/11/24
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