バスカヴィル家の犬 (光文社文庫 ト 2-7 新訳シャーロック・ホームズ全集)
バスカヴィル家の犬 (光文社文庫 ト 2-7 新訳シャーロック・ホームズ全集) / 感想・レビュー
セウテス
〔再読〕ダートムアの名家パスカヴィル家には、17世紀に当主が巨大な犬に噛み殺されたという伝説が伝わっている。本作は現当主が不審な死を遂げ、遺体近くに巨大な犬の足跡が見つかった事から始まる。依頼を請けたホームズが調査に乗り出すと、次期当主を狙う悪意が存在する事に気付く。推理小説ではなく、冒険小説であろう。序盤でホームズが後手を踏み、かなり厄介な敵であると印象付け、後半に一気に明らかにする構成の巧さこそ、ドイル氏の筆力の成せる技だろう。恐ろしくも郷愁を感じるダートムアは、「赤毛のレドメイン家」の舞台でもある。
2016/03/14
藤月はな(灯れ松明の火)
怪奇小説とミステリーの両方が好きな人には堪らない傑作。しかも終盤になるまでホームズ不在なのに逆にそれが緊迫感を高めているのが凄い!以前、「最高のホームズ」と名高い俳優であったベイジル・ラスボーン(本人は「俳優・ベイジル・ラスボーン」ではなく、「シャーロック・ホームズ」と見なされるのが嫌だったらしい)が演じた映画版『バスカヴィルの犬』を見たことがありますが、映画もおどろおどろしくて素晴らしかった・・・・。
2015/05/25
KAZOO
もう何度目なんでしょうか?最初に読んだ時の衝撃からは大分印象が違ってきて別の観点で読みなおしています。まあ当時としては非常に怪異的な感じもあったのでしょうが。新訳もいい時があるのですが、このような内容だと若干怖さが薄れる感じがしました。
2014/10/20
aika
ホームズシリーズでも人気の作品、との評判もうなずけます。呪われた一族の魔犬伝説に挑む、ホームズとワトソンの名コンビ。特に、助手のワトソンは、ひとりで依頼人サー・チャールズを守る為に、広大なムアで勇気を振り絞って大活躍!次々と出てくる怪しい人物、狡猾で残忍な敵、そして恐ろしい魔犬との戦いにドキドキハラハラの連続でした。解説では、ドイルがホームズシリーズを「最後の事件」で終わらせようとしたのに、「バスカヴィル家の犬」で復活させた立役者にスポットライトが当てられていて、裏話まで楽しめました。
2016/11/28
のざきち
ホームズ第三長編で初読。先代当主が伝説の魔犬に襲われたかのような不審死を遂げたバスカヴィル家。相続人である甥のヘンリー卿の依頼によりホームズとワトスンが謎の解明に挑む...大概の方は小中学生の頃に読んでいると思われる有名作。前半のワトスンのスリル溢れる活躍と後半ホームズの再登場により謎が一気に解明される劇的な展開は見事としか言いようがありません。遥か昔に読まれた方々もぜひ再読してほしい作品です。
2020/11/01
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