シャーロック・ホームズの事件簿 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
シャーロック・ホームズの事件簿 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫) / 感想・レビュー
セウテス
〔再読〕ホームズ最後の短編集。本作にはワトソン博士の語り以外に、ホームズの語りや三人称の作品が在ります。珍しいのですが、はっきり言って違和感の方が多く、いかにワトソンの語り方式が魅力的だったのか、読み比べてみると良く解ります。「ソア橋の難問」は、トリックを推理するにも人間性を推理するにも、程よい難易度でミステリを楽しめます。又ホームズの語りという不馴れさはありますが、「ライオンのたてがみ」ではホームズがロンドンを離れ、サセックス州の田舎で引退生活を送っている事が分かります。本作で終わりと、寂しく思います。
2016/03/15
tengen
9弾ラスト作。連絡手段が電報から電話に!☆国家の危機、宝石を取り戻せ☆殺人現場の橋の上を観察する☆突然の主の奇行☆赤ん坊に噛みつく血だらけの母☆珍名ガリデブ、3名揃うと大金持ち?☆超悪党の結婚を阻止せよ☆夫人への奇妙な買取話☆戦友が隠れ住む秘密☆最後の言葉ライオンの鬣☆妻失踪、画材屋の依頼☆隠された顔の秘密☆突然変わった兄と妹の謎☆彡マザリンの宝石/ソア橋の難問/這う男/サセックスの吸血鬼/三人ガリデブ/高名な依頼人/三破風館/白面の兵士/ライオンのたてがみ/隠居した画材屋/ヴェールの下宿人/ショスコム荘
2018/06/05
aika
とうとうホームズシリーズ、最終巻!「サセックスの吸血鬼」は、血の繋がらない親子の苦悶が描かれていて、現代でも普遍的な題材だなあと思いました。「白面の兵士」では、語りがなんとホームズ自身で、所々鼻につく物言いにクスッと笑ってしまいます。この短編集の中で、結末が一番好きです。「ライオンのたてがみ」は、ホームズ引退後の物語で、ワトソンが登場しないのが残念ですが、現役引退後もバリバリなホームズの姿は頼もしいです。100年以上前に書かれた作品なのに、現代に生きる私たちを魅了するホームズとワトソン、あっぱれです!
2017/01/09
KAZOO
日暮さんの訳のシャーロック・ホームズに慣れてきた感じがします。ただかなり昔読んで文語体的な新潮社の本も時代性を感じさせてくれてよかったと感じます。ビクトリア朝にピッタリの感じがしていました。今の人にはこの本のほうが読みやすいのでしょう。12編が入っていますが、私はソア橋、三人ガリデブなどが好みでよく読み直しています。
2014/10/10
yukalalami
いきなり最後の短編集からシャーロックシリーズを読んでしまったがどれも楽しめる。オカルトありファンタジーありと幅広い。ホームズによる一人称語りが興味深かった。ワトスンへの気遣いが垣間見えるとこもいい。「白面の兵士」や「ライオンのたてがみ」など友情を絡めた篇が特にお気に入り。
2015/09/24
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