物語のルミナリエ (光文社文庫 い 31-36 異形コレクション 48)
物語のルミナリエ (光文社文庫 い 31-36 異形コレクション 48) / 感想・レビュー
はるき
震災後に編まれたアンソロジー。冒頭で語れるように、癒えぬ傷を抱える作家もいる。自分に何ができるのか、物語を紡ぐことに意味はあるのか。 余りにも大きな災厄の前に人は無力かもしれない。けれど、フィクションの持つ魔力が心に温かな灯、大きな安らぎを、湧き上がる笑みを生みだすのも確かだと信じたい。硬軟色々で正直好みではない物もあるけれど、画期的だと思う。
2015/05/06
佐倉
図書館本。SS作品に絞った異形コレクション。2011年末に出されており、3.11という時節が反映された作品が多い。誤解を恐れずに言うと震災の衝撃を消化しきれていない、物語以前の熱のようなものを感じる。『オレオレ』『一年後、砂浜にて』の見事な逆転、短いのに濃密な『下魚』、終わらない酩酊を描く『一夜 酒』、自分の作った物語=神様に取り付かれてしまう『神様の作り方』が印象に残った。あの時作家たちがどう感じたかのサンプルとして一読の価値はある。
2023/04/07
かぼちゃりん@花粉症はつらいよ
異形コレクションは、ずっと追いかけているシリーズ。これも出版されて間もなく買ったのだけれど、永らく積読になっていました。読めて良かった。東日本大震災を機に編まれたショートショート集。タイトル通り、たくさんの祈りが込められています。心に残った作品は、ここには書き尽くせないほど。敢えて1番を挙げるならば、眉村卓「青い空」でしょうか。鮮烈。他には、平谷美樹「猫」タタツシンイチ「鋳像」傳田光洋「ゆらぎ」かんべむさし「庭に植える木」田中啓文「まごころを君に」皆川博子「そ、そら、そらそら、うさぎのダンス」→続く
2013/03/03
Te Quitor
東日本大震災の追悼、チャリティとしての意味合いで書かれたアンソロジー78篇。生と死を意識して書かれたショートショート集ですね。正直、あまり楽しんで読むことはできなかったです。多彩で素晴らしい作品が多いと思うのですが…、好みとはいえない話もありました。この本は読み人の読書歴、読書傾向によって、全く印象が変ってしまう本かもしれません…。個人的な感想は、「特に印象に残らない本だなぁ…」でした。でも、色んな世界観を楽しめたので、…満腹です。
2012/04/18
atomos
間瀬純子「蛇平高原行きのロープウェイ」を読もうと頁を開いたら、皆川博子さんの掌篇が目に留まり、読んだらそちらも素晴らしかった。
2014/01/31
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