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はむ・はたる: 連作時代小説 (光文社文庫 さ 27-2 光文社時代小説文庫)

はむ・はたる: 連作時代小説 (光文社文庫 さ 27-2 光文社時代小説文庫)

はむ・はたる: 連作時代小説 (光文社文庫 さ 27-2 光文社時代小説文庫)

作家
西條奈加
出版社
光文社
発売日
2012-03-13
ISBN
9784334763800
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はむ・はたる: 連作時代小説 (光文社文庫 さ 27-2 光文社時代小説文庫) / 感想・レビュー

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pino

15人の孤児は、不遇な運命を背負ってきた。本当の名や年さえ知らない子もいる。だが、長谷部家の人々のお蔭で今は逞しく成長している。身近に起こる事件を、勝平が中心となり解決する様が頼もしくて爽快。章ごとに語り部を変えているので、子供らの個性が際立って楽しい。また、江戸へ戻ってきた柾のふわりとした印象とは違う芯の強さに心打たれる。その根底にあるのは、柾の母の存在だ。孤児を引き受け、一端の人間に育てあげる懐の深さだ。はむ・はたると呼ばれる女の生きざま。誰しも持ってる傷。そこから、どう踏み出すのか。興味は尽きない。

2013/02/26

ひさか

小説宝石2007年11月号あやめ長屋の長治、2008年6月号猫神さま、8月号百両の壺、10月号子持稲荷、12月号花童、2009年2月号はむはたる、書き下ろし登美の花婿、の7つの連作短編を2009年8月光文社から刊刊。2012年3月光文社文庫化。シリーズ2作目。前作で登場した子供たちがそれぞれ主人公となっての7話の人情話が楽しい。「花童」だけアンソロジーで読んでいたが、7作みんなが読めて良かった。

2021/10/10

kei302

続編のほうが心に沁みます。浅吉が助けた親のいない子たちのその後。蓬萊屋の由次郎と母と継母の話『子持稲荷』が特によかった。泣かせるじゃねえか…。 文庫版には「登美の花婿」という気になる短編が付いています。 これが、期待を裏切る面白さ。小さい人たちの話し合いに笑わせてもらった。解説は北海道出身繋がりで小路さん。こんなところでお会いするとは、新鮮です。『烏金シリーズ』の表紙イラストはフジモトマサルさん。これもびっくりです。

2021/03/09

sin

生きる為に法を犯してきた孤児達が罪を償い、後見人の武家の隠居に支えられて生活しそのなかで出会した事件を解決する。孤児達の中心人物は彼らをまとめあげてきた頭分の勝平で、それぞれの事件も彼の知恵で解決に導かれるのだが、それら出来事は毎回違う脇に控えた子供の視点で語られるので趣が違って興味深い。タイトルに絡んだ隠居の次男坊の仇討ちに思い悩んだ勝平が過去の過ちを告白する場面…大人の悪事が招いた孤児の死に己れの罪を悔いる心情にやるせない思いがした。

2022/03/04

ぶんこ

親とはぐれたり、売られたり、捨てられた子ども達が、勝平という12歳の子どもをリーダーにスリをしながら生き延びていた。そこに長谷部家という後ろ盾を得て、稲荷寿しを商いながら子どもだけで自立していました。しかも12歳前後を最年長に下は3歳5歳の子どもだけで3組に分かれて長屋暮らしをしているのにはビックリ。勝平の賢さ、優しさには頭が下がります。勝平がいたとしても、長谷部家の人々に巡り会えた事は何よりです。この人たちがいる限り大丈夫と思えてホッとします。長谷部家次男の仇討ちが主題でしょうが、私には子ども達が主役。

2017/05/24

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