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幻海The Legend of Ocean (光文社文庫 い 49-1 光文社時代小説文庫)

幻海The Legend of Ocean (光文社文庫 い 49-1 光文社時代小説文庫)

幻海The Legend of Ocean (光文社文庫 い 49-1 光文社時代小説文庫)

作家
伊東潤
出版社
光文社
発売日
2012-06-12
ISBN
9784334764302
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幻海The Legend of Ocean (光文社文庫 い 49-1 光文社時代小説文庫) / 感想・レビュー

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藤枝梅安

一気に読みました。秀吉の時代。北条攻めの前段階として伊豆を攻略する水軍にイエズス会の宣教師が同道するという設定。南伊豆に謎の「黄金の国」がある。その黄金に目がくらんだ者たちの争いを描く。細かな取材を基に迫力のある海戦の描写。裏切り、成りすましで任務と欲を充足しようとする下級武士たち。果たして謎の「黄金の国」はあったのか。時代小説の枠からはみ出たファンタジー&海洋冒険小説。信長の天正伊賀攻めを想起させる「伊豆のなで斬り」の過程も上手に織り込んでいる。伝説のヒーロー岩見重太郎も登場して、いい味を出しています。

2013/09/11

キムチ

伊東氏独特の歴史物海洋ファンタジー。かつて読んだ北方・白石モノに似ている。時代は桃山、主人公はイエスズ会宣教師。時代を行きつ戻りつで展開していく。折からの暗黒中世期の犠牲者として彼は処刑寸前にある場面から始まる。殆ど男の世界、わずかに登場する女性も、卑弥呼の如く「黄金の国、奥伊豆の幻の国の女帝」として登場する程度。ハチャメチャと云えばそれまでだが、講釈師の世界で活躍する岩見重太郎が相方とはまさに伝奇の世界。史実に忠実な歴史ものとは一線を画し、単純に楽しめた。

2014/11/09

そうたそ

★★☆☆☆ 秀吉の時代、イエズス会士のシサットが布教の許可と引き換えに、豊臣水軍に加わり、やがては黄金の国の噂を耳にし危険な航行に挑んでいく海洋伝奇ロマン。著者の初期作品にして、珍しく伝奇もの。迫力に満ちた筆致は流石のものといえるが、ストーリーは中盤から次第に規模が大きくなっていき、それとともにまとまりを欠いていった気がする。今の著者ならこの題材でもっと面白く書ける気がするが。またこういう伝奇ロマンも書いてほしい。

2020/07/08

Our Homeisland

なかなか面白かったですが、これまでに読んだ他のこの作者のものに比べると、やや荒削りすぎるという感じで少し不満も残りました。秀吉の時代の本格海戦戦記ものというユニークさは素晴らしくて、戦闘シーンの迫力と登場人物たちも良いのだが、特にラスト近くが荒唐無稽すぎて雑でのめり込みにくかったです。少し前に西伊豆の松崎に一泊の旅で行って来たばかりでした。その南には行ったことはないので、今度足を伸ばしたいです。この作者の他の作品と、「巨鯨の海」とは黒潮のことで、伊豆の情勢は「黎明に、」などの北条ものと共通点がありました。

2014/02/21

TheWho

秀吉政権下の小田原北条征伐伊豆海戦に従軍した架空の南蛮人イエズス会伝道師の主人公が、海戦の果てに奥伊豆にあると云う伝説の黄金の国(海人国)と関わる海洋歴史伝奇小説。バチカンで異端審問を受けた主人公の日本滞在での奇異な体験の回想から物語が始まる。冒頭は、主人公が従軍した鮮烈な伊豆海戦と伊豆近海な海域とが交錯する海洋戦記絵巻だが、ムー大陸の生き残りとも暗に匂わせる伝説の海人国を交錯させた摩訶不思議な物語と展開していく面白い一冊です。

2017/05/14

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