アムステルダム運河殺人事件 (光文社文庫 ま 1-28 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
アムステルダム運河殺人事件 (光文社文庫 ま 1-28 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ) / 感想・レビュー
NAO
エドガー・アラン・ポーの『マリイ・ロージェ事件』を模して、実際に起こった未解決事件を作者なりに推理してみた作品。ポーが考え出した探偵オーギュスト・デュパンをヒントにコナン・ドイルが考え出したシャーロック・ホームズとワトソン博士になぞらえた新聞記者と医者が、推理を披露する。二人の推理はそれぞれに別の犯人を導きだすが、どちらも、まあそういうこともあるかもしれないという程度。『セント・アンドリュースの事件』は、金持ちによくありそうな話。げに恐ろしきは、女。
2019/11/30
竹園和明
【再読】面白かった記憶だけ残っていたので再び手にした清張本。松本清張らしからぬベタなタイトルが異質さを逆に際立たせているような。オランダで実際にあった迷宮入り事件を取り上げ、そこに架空の医者と記者を投入させて彼らが真相を推理する…という作り。要するに100%松本清張の推察という事だ。トランク詰めされたバラバラ死体の殺人犯と目された日本人商社マンが自動車事故で死亡。オランダ警察も周辺の人々も皆彼が犯人と言うが、果たして本当なのか。松本清張の推理とその根拠が示されるラストへ向かう展開がシンプルに面白かった。
2020/07/16
C-biscuit
図書館で借りる。この本はタイトルの「アムステルダム運河殺人事件」と「セント・アンドリュースの事件」の二本立てになっている。あとがきにあったが、松本清張が20日間にわたりヨーロッパ旅行で取材をした成果であるようで、地名やその場の雰囲気が細かく描写されているように感じる。もっとも、自分がアムステルダム等に行ったことがないため、地理がわかりづらかった。ただし、犯人の推理は面白く、登場人物も限られているので、シンプルに楽しめた。もう一遍は少し短かい構成で、日本の旅情ミステリーのように感じた。こちらも面白かった。
2016/03/26
Kouro-hou
松本清張版「マリー・ロジェの謎」。オランダで河に浮いていたトランクから男性の首&手首脚無し死体が。トランクに入っていたパンツに日本語で「ゴムの交換はここから」と書いてあった事から日本人と特定され、ってそんな特定のされ方は嫌だーっ!! そんな実際の迷宮入り事件を架空の記者と医者が推理します。実際に松本清張と森本哲郎が数年後に現地取材をして書かれたものだそうな。話中では一応の結論が示されるものの、物語の性質的にすっきりしない。有りがちな治安悪げな場所でトラブって殺された説はつまらないと切り捨てる辺りは清いw
2014/02/01
りこ
なかなか入り込めなかったが、ヨーロッパの地名がたくさんでてきて、まるで旅をしているかのような気分になれた。トリックなども、ややこし過ぎずシンプルに楽しめた。
2017/02/11
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